【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ25)

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2章　呪われた身体( 6 ) ページ25

……と、その前に。私は彼に謝らなくてはいけないことがあったのだった。

…昨日吐いてしまった嘘についてである。

「夏目くん、私夏目くんに謝らなくちゃいけないことがあるの。……昨日、何でこんな時間に街中にいるのって聞かれた時、嘘を吐いちゃった。…………ごめんなさい。」

「頭を上げテ、野良猫ちゃん。昨日の野良猫ちゃんの言葉は嘘だって気付いてたかラ、何も気にしてないヨ？」

「ありが………え？気付い、てたの…？！」

ぺこり、頭を深く下げて謝罪を述べれば何でも無い様に夏目くんはそう言ってのけた。

「そんな……どうして気づいたの？」

「さあネ？ボクは魔法使いだかラ、嘘を吐かれてもすぐに気付いちゃうんダ♪」

……なんだか冗談ぽく聞こえるけど、割と本当に気付きそうなのでなんとも言えない。というか普通に気付くだろう。相手を見る職業なのだから人の言葉の真偽ぐらい簡単に見破れる筈だ。

…となると、彼は嘘だと分かった上で昨日は私の話に頷いてくれたらしい。…すごく、申し訳ない。

「うぅ…また夏目くんの時間を奪っちゃった挙句に嘘まで吐いてたなんて…私、最低だよ。」

「昨日Aちゃんが吐いた嘘は別に悪意がある訳じゃ無いでショ？相手がどんな人物かも分からないのに自分について打ち明けるのも難しいしネ。…Aちゃんは責任感が強いのかナ。何でも気負い過ぎだヨ。」

自分の最低さに自己嫌悪しかけていると夏目くんがまた、私の頭を優しく撫でてくれる。

…夏目くんは頭を撫でるのが好きなのだろうか、と考えつつも彼の優しさに甘えてしまっている自分がいるのも事実。

何時もは野良猫ちゃん、と呼ぶのにこういう時は名前で呼んでくれるのだから、余計にその優しさを感じる気がして思わず自分の頬が緩むのを感じた。

…身体の事から心の事まで、本当に彼には迷惑しか掛けていない。土下座をしたいレベルで申し訳無さ過ぎるくらいだ！

「う…何から何まで、ごめんね………今度、絶対何かお礼するから、それで許して…！！」

「許してなんて大袈裟ナ。…でもそうだネ。じゃあ野良猫ちゃんには今度、ボクの買い物に付き合って貰おうかナ？」

ぎゅっと瞼を瞑ってそう告げては彼から返ってきたのは買い物の提案。それくらいならばお安い御用！と言わんばかりに私はこくこくと首を縦に振ってみせる。

迷惑を掛けた償いが買い物程度なら全然構わない。寧ろそれだけじゃ足りない気もするけれど…良いのだろうか。