私、幸せになります (ページ35)

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赤井side ページ35

扉を開けて入ってきたのはボウヤだった。

「おや、ボウヤ朝からどうしたんだい？」

「松山のおねーちゃんは？」

「まだ、寝ているが？」

「ふーん、松山のおねーちゃんは赤井さんとどんな関係なの？」

「初めて会ったが？」

「うそだね。赤井さんが初めて会った人に「一緒に住みませんか？」なんていう筈がない」

「全く、ボウヤには感心されっぱなしだな。正直に言おう。彼女は宮野明美だ。」

「まさか、灰原の姉の！」

「知ってるのか？」

「あたりめーだろ、宮野明美またの名を広田雅美十億円事件の犯人じゃねーか」

「警察につき出すか？」

「そんなことはしねーよ」

「良かった、これで警察につき出すと言ったらボウヤを打つところだったよ」

「何で赤井さんはそんなに宮野明美に執着するんだ？」

「逃げられているんでな、今度こそ逃がせはしない」

「ふーん」

「灰原にはこの事は……」

「言わない方が得策だと思うね」

「だよなぁ……」

「シホには申し訳無いが……」

「そっか……じゃあそれだけ確認したかったから」

「じゃあな、ボウヤ」

「うん」

バタンと扉が閉めた事を確認して寝室に向かう

きっと今ごろ明美は拗ねているんだろうか

そう思うだけで少し笑みが溢れたことを知っているのは誰もいない