【カゲプロ】メカクシ団でメイド喫茶！！？ (ページ4)

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＊まさかの就職先ページ4

悩み混んでいるその時だった。

「はいは～い！こんなのはどうかな？」

お調子者のカノが勧めるバイトなんてあまり信用できなそうである。皆の表情も硬い。

「修哉、ふざけたバイトじゃヤダよ」

マフラーを揺らし、弟を宥める仕草のアヤノ。しかしカノは動じることも無く、「とりあえず見て

判断してよ」と呼んでいた雑誌の中から１ページを躊躇無く破り去った。

そこに写っていたのは。

黒いドレスに純白でフリフリのエプロン。頭には大きなリボン。

ハートの吹き出しには、「いらっしゃいませご主人様、お嬢様！」と描かれている・・・。

団員全員がカノを蹴り飛ばした。

ボクはこの雑誌を彼の前に突き出す。今、ボクの顔は真っ赤に染まっているに違いない。

「アヤノもさ、『ふざけたバイトはヤダよ』って言ってただろう！！？こんな、こんなバイトが
　・・・よ、よりによってメイド喫茶なんて！！」

後半は怒号に変わりつつあった。しかしカノは随分と大人しく、というか白々しくこちらを見て

薄く笑みを浮かべている。

わざとらしい仕草で、大きく手を広げてステップまで踏んでいる。

「まぁ、待ってよ。僕もこんな時に皆のコスプレが見たいわけじゃない。もし明日にでもアジトが
　崩壊する勢いなら、いいバイトじゃない？(人１)ちゃん、よく見て！」

そう言われ、ボクは力の限り握りしめていた雑誌をもう一度広げた。

ボクはカラフルなパステルカラーで飾られた条件項目に目を見張ってしまった。静かに、皆によく

聞こえるように機械的な口調で読み上げていく。

「カッコイイ人、カワイイ人ならぜひ参加してみませんか？
　売り上げによってお給料は変わりますが、１日で１０人を相手に出来たならだいぶいい額に
　なると思います。
　もちろん違反な事はしませんし、安全健全な場所でやります。さぁ、どうです？

　・・・近時か行われる≪メイドコンテスト≫出場で１００万円のチャンスです❤❤❤❤❤」

皆は、押し黙ってしまう。カノはもうノリ気なようで一人得意げだ。

ボクは無表情を貫いて、また声を発する。

「年齢無制限・・・らしい」

この言葉にヒビヤとヒヨリが肩を大きく揺らした。

しばしの沈黙が流れ。

「皆、こんな不甲斐無い団長に着いて来てはくれないか」

美しいボーイソプラノの言葉に、異を唱える者はいなかった。