≪第１章≫ 緊急会議 ページ2
「というわけで緊急会議なわけですよ」
「すまない。俺が至らなかった！」
昼下がり。
アジトのリビングには新たに加わったヒヨリを含め、全メンバーが集合していた。
セトもモモも今日は仕事が半日で終わったらしい。ナイスタイミングだ。
ボクは団長としての責任を全うしようとするキドを宥めて、全員に告白したほうがいいと勧めた。
十二人が一緒に背負うものを、女性一人で解決するのはいささか無難だ。
「何もキドのせいじゃないでしょ。むしろ言ってくれて清々したよ！」
色素の薄い茶髪に特徴的な猫目。口元はいやらしく吊り上っている。だが、その全てが彼らしい
雰囲気や魅力を一層引き立ていた。
メカクシ団Ｎｏ．３でムードメーカーを買って出ているカノだ。最近は『目を欺く』を使わず、
素直に笑うことが多い。
「困ったッすね。全員でみ、水商売ッすか・・・」
艶やかな黒髪を黄色のピンで留め、健康そうな浅黒い肌。鍛えられた手足。特徴的な体育系の
口調。バイト帰りのメカクシ団Ｎｏ．２のセトだ。だが、いつもの爽やかな笑みは失せて代わりに
顔に影がかかっている。
そんな彼を慰めるかのように、隣から可愛らしい少女がヒョッこりと顔を覗かせた。
「ねぇねぇセト。『水商売』って何？」
メカクシ団Ｎｏ．４のマリー。アルビノによる淡白で蛇のようにうねる髪と、美しいピンクの瞳。
空色のドレスにそれに似合う雲色のエプロン。その姿はさながら、童話のアリスのようである。
よくドジを踏み、コケるがとても素直なメカクシ団のマスコットだ。
・・・今回はその素直さが仇になってしまったが。
思いもよらずの質問にセトも喉を詰まらせている。頭を掻いて、どう答えればいいか迷っていた。
「お水を持ってくることだよ、マリーちゃん！」
「ほら、食べ物屋さんに行くと最初にお冷が出るでしょ？」
そう諭す二人の少女。片方は黒いセミロングに茜色のマフラーを巻いた白ワンピの女性。
お淑やかで、朗らかな印象を周りに残す彼女こそ、メカクシ団の創立者である。その名はＮｏ．０
アヤノ。キド・セト・カノの義姉で正義のヒロインである。
もう片方は、濃い茶髪を水色のシュシュで括りつつ明るい笑顔を放つ。突き出たバストは誰もが
目を惹かれる。モデルのようなこの少女は現役アイドルであり、メカクシ団Ｎｏ．５のモモだ。
二人とも愛すべきアホの子であることは確かである。
まぁ、マリーちゃんもこれで納得したようだしこれでよしとしよう。
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作者名：ヒメナ | 作成日時：2015年4月18日 22時
