いちごオレ39 ページ40
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「今日は、どうも。お邪魔しました。」
「……。熱のせいで頭やられてたわ。…マジ、めーわくかけた!ごめんなー」
玄関のドアを開けず、私は後ろを振り返る。
一眠りしたお陰で、私の表情は柔らかいと思う。
おそ松くんは、珍しく肩を萎めて頭をかいた。
悪気の無い笑い方で、ごめんなーの言い方も中身がスカスカ。
本当に彼は反省しているのか。
別に得でしかない良い一時だったから
謝られているには、少しだけ罪悪感が湧くからこちらの方が気楽で良い。
うん。逆に、土下座して"ありがとうございました!"と言うくらい
良い一時だった。そんな事したら引かれてしまうけど。
「おそ松さん!えっと…。体調には気をつけて…。過ごして…」
喉にいちいちつっかえながら、言葉を並べる。
文章が繋げずあやふやになりながら、一所懸命体調について話していると
おそ松くんは、話の内容に耳を傾けず腕を腰にあて首をかしげた。
私の話し方に不満があるのか、無言で睨みはしないが凝視してくる。
勿論私は困ったもので、つぎはぎに出てくる言葉を飲み込んで
脳内にあるレコードを停止させた。
「?えっと…おそ松く…さん?」
私がおそ松くんの名前を呼ぶと、ピクリと数ミリ眉が上がる。
「あんさ。同い年なんだし、無理して"さん"呼びしなくてよくね?
ほとんど、"くん"って言いかけてるし…。」
「!!…あっあはは…。気づいてらしたんですね…。」
バレたかという顔をつくって、苦笑いすると
おそ松くんは「まーね。人間観察はお得意だから。」と
舌を得意気に出した。
ブイっとピースサインを決めたら、
いつもの顔に戻る。
「じゃ、おそ松くんって呼びますね!」
「おん。そーしてくれたら助かる。
なんか、距離縮んだみたいじゃ……あっ…!」
おそ松くんが不意に言葉を漏らすと、
おそ松くんは恥ずかしそうに、口を塞いだ。
私も不意打ちの言葉に顔が真っ赤になってしまった。
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時