いちごオレ38 ページ39
.
先に目が開いたのは、生憎私の方ではなく私の膝で寝ていたおそ松くんだった。
額に重い衝撃が走り、眠っていた私の脳が徐々に覚めていく。
まだ眠い瞳を擦って、ふわふわと宙に浮かんでいるような感覚のまま。
ぼんやりとしていた視界が、だんだん明るくなっていく。
明るくなっていく視界から飛び込んできたのは、赤。
それと床に伏せて狼狽えるおそ松くんの姿だった。
状況が呑み込めず、ただ眠っている脳みそを叩き起こすしかない。
「?…へぇ…」
寝起きだからか、喉がカラカラで間抜けな声が出てしまった。
ぱちぱちと数回瞬きをして、おそ松くんを見つめた。
狼狽えたまま、おそ松くんは、上半身をあげる。
顔は真っ赤かで、熱は引いていないようだ。
狼狽えていたのは…苦しいとか…
やっと、完全に覚めた脳をフル回転させ自分の体も前のめりになった。
「おっおそ松く…さん!。まだ、熱が…。」
「!!ないから!。……。大丈夫だから!。…」
真っ赤な頬を手のひらで隠し、
おそ松くんは、大きく股を開けて、後ろへと後ずさる。
「まじ。何で、拒わ無いんだよ。ふっふつう…拒むだろ…」
珍しくおそ松くんの目は白色が多く面積を取っていて
大きく見開いている。
罰が悪そうな顔。
耳元まで赤く染まっているおそ松くんに対し私は唖然とするしかできなかった。
「えっと…。その。おそ松くんが…気持ち良さそうで…」
「あぁああ!!しっ知ってる。…すげー知ってから。」
顔全体を覆い被せて、恥ずかしそうに手の平を私の目の前に持ってきて
見るなとでも表したいかのように、左右に振った。
「まじ。まじまじ。アレは、事故だし。熱があったから正確な判断が
できなかっただけだし。」
私に言っているつもりなんだろうけど、
諸自分に言い聞かせてあるようにしか聞こえない。
斜め下のフローリングに視線を下げて、おそ松くんは気まずそうに口角をあげ
「オレ、やっぱ。熱あっかも。」
フッと気を紛らわすように、自分の瞳を上眉毛にくっつけてはっきりと言った。
.
96人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時