22 - 4 月冴える ページ26
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「…そんなキミ達だからこそ
お願いだヨ」
夏目の瞳がまっすぐ嵐を捉えた。
嵐はその瞳にぴんと背を伸ばし、目を丸くさせる。
「…お願い、なんてできる立場でもないんだけド
この際そうも言ってられないしネ」
「…、」
どんなに願われたって、私達は全知全能、万能の神ではない。
叶えられる願いなど、限られていた。
「ボク、初めに姉さんに相談されたんだヨ
ボク達と、キミ達と離れたくなイ
親に逆らえないってネ」
「…え」
「だからボクは姉さんに″逃げてもいい″って言ったんダ
そのせいで姉さんは屋上から飛び降りタ
…それを聞かされたのは奏汰にいさんからだったヨ
まあ、1周目は奏汰にいさんしか″見ていなかった″かラ、聞かされたことも覚えてなかったけド
聞かされてから信じられなくテ、願ったんだヨ
星やら月やら、水晶やら、所構わず、『どうか夢であってほしい』ってネ」
「……そうしたら、」
終始驚きを隠せない嵐に、夏目は自嘲する。
「気付いたら″一年前の朝″だったってワケ
…まあそれに気付いたのはもう″2回目の朝″だったわけだシ、記憶があったところでボクにはもう止められなかったけどネ」
「……」
記憶の無い私達には到底理解することのできない感情に、嵐は終始戸惑った。
どう言い表せば良いのか、わからなかった。
「…マァ、話がそれちゃったけド
今話したのはボクの罪サ
姉さんの苦しみに気づいてあげられズ、そんな姉さんの相談も忘れたまま1年を過ごシ、2度もその手を掴んであげられなかっタ」
「……そんなの、アタシだって」
「…ウン、ごめんネ
気付いたのだってほぼ偶然なの二
…記憶がないまま本当にあるかどうかもわからないこの世界の繰り返し地点に迫る恐怖の中に置かれてるカミナリさんの方がもっと辛いのかもしれなイ」
「…そんなことが言いたいんじゃ、」
「いいんだヨ
…そんなことよリ、ちょうどこうして来てくれたんだかラ
不安の中で申し訳ないけド、ボクはキミに伝えなきゃいけない頼みがあル」
小さな瓶を嵐に差し出し、夏目は視線を僅かに下げる。
「……ボクの願いはただひとつ
3/31、
不意に頬を自然と伝った涙は、宝石のように美しかった。
「…もう嫌なんだ
こんな世界」
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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