19 - 3 世界の外 ページ4
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「もうそろそろ返礼祭だって言うのに、あの子は一体何処ほっつき歩いてるのォ？」
項垂れた嵐に、布団にくるまって小難しい顔をした凛月。
それを、少し遠くから机に肘をついて泉が眺めていた。
「連絡来てたじゃん、家の用事って」
「もうすぐって言ったってまだ数ヵ月かあるでしょ
焦るにはまだ早いんじゃない〜…？」
いつも通りに見えたKnightsも、流石に返礼祭が近いとなれば焦りもする。
ましてや返礼祭は今までお世話になった卒業する先輩へ、『我らは先輩がいなくてもユニットを継いで行ける』『もうこんなに成長したのだ』と、舞台で直接示す番なのだ。
「…てか、不安なら早く考えればいいんじゃない？
ステージ編成とか、使用楽曲とか
俺達が合わせる都合だってあるんだよぉ」
「わかってるわよ言われなくたって
んもう、『Knightsの解散』が大安売り過ぎるのよォ、ほんと苦労するわ」
手短に身支度をして荷物を手に取った嵐が、2人に向かって膨れた顔のまま手を振ってみせる。
「ちょっと今日は早く帰って考えたいから、また今度ね
最近妙に静かだし、お疲れなんじゃない？
アンタらも早く帰んなさいよォ」
足早に出ていった嵐を見送り、顔を合わせた凛月と泉はやはり小難しい顔。
「妙に静かだってよ、セッちゃん」
「あんたのことも含んでるでしょぉ、くまくん」
互いに異変は感じていたって、それが何か、問うことはできない。
互いに一定の距離を保ったまま、色んな事を考えては、思考を止めてしまう。
「くまくん、最近変なことしないねぇ」
急に泉がそんなことを言い出して、凛月はきょとんとした。
スカイブルーの澄んだ瞳がまっすぐ、凛月を捉えている。
「…変なこと？
失礼だねぇセッちゃん、俺は普通なんだけど？」
「あんたが今見てるのは、何なんだろうねぇ」
細められた瞳に、凛月はますます目を丸くする。
そうしてその瞳から逃げるように、布団から抜け出してそそくさと荷物をまとめだした。
「なにそれ
セッちゃん詩的過ぎてわかんない」
凛月は、けたけたと笑って見せた。
対して泉は、そんな凛月を見て、笑いも怒りもせず、ただ真顔で机のペットボトルを掴んだ。
「そう」
それ以上でも、それ以下でもない。
それきり、泉は黙るようになって、凛月はむず痒くなって、またまとめた荷物を放ったらかしに布団に潜り込んだ。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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