7 - 3 火花 ページ4
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「花火？」
いつの日か、そんなことを聞いた。
それは、Aの口から。
「Aから誘うなんて、珍しいねぇ」
肘を付いた泉は、ふとそう言う。
暑苦しいスタジオでは何もかもやる気がでないようで
あの司でさえげっそりとしていたものだが
”花火”と聞くや否や、きらきらと目を輝かせ顔をあげた。
「花火…！
日本の代表的文化ですね！
Marvelous…♪
その上、お姉さまから誘っていただけるなんて…♪」
「アタシとAセンパイで話してたのよォ
今度花火あるじゃない、週末にね
ちゃんと人避けの場所もあるから、楽しそうだしねェ？」
ずっと真顔で片手にスマホだった泉も
ぐいぐいと寄ってくる嵐に、呆れ気味に退けて頷いた。
「はいはい、行けばいいんでしょぉ、行けば」
「…ていうか、花火ってライブあるじゃん
その日、約束しなくたって俺達自動的に見るでしょ」
それに、嵐はぷりぷり怒った。
「お仕事中の花火なんか面白くもないわよォ
途中でも良いから、暇な時間にでも楽しみましょうよォ
みんなで、ね？」
「いいじゃん、くまくん
珍しいAのお願いなんだし、聞いてあげようよ」
それこそ珍しく、乗り気じゃなさそうな泉は逆に乗り気のようで。
ただ顔はあまり笑っていない。
言葉と表情があってない。
考え事でもしてるんだろうか。
知ったことじゃ、ないけれど。
「…まあ、いいけど
俺、夜は元気だしねぇ」
”あのライブで起きること”は、大体分かっていた。
繰り返してるってこういうことなんだと、今改めて思い知らされる。
”去年”通りなら、ただ花火を見るだけ。
Aが”去年”と同じく動くなら。
変わるにしろ、変わらないにしろ
俺もこの際、この場を利用してやろう。
「じゃあ、ちょっとライブも頑張っちゃおうかなぁ…」
「最初っからちゃんとしなよ、お仕事なんだから」
「ライブ直前までバカンスに行くセッちゃんもどうかと思うけど
ナッちゃんはナッちゃんでモデル仕事だし」
「予定が合わないんだよ、しょうがないじゃん
俺は心配しなくても本番は完璧にするから」
ふいと顔を背けた泉を眺め、
スマホを手に文字を打つ。
案外スッと、勇気要らずでそれは送れた。
「別にそこは心配したことないけど…」
静かなスマホが、それから動くことは無かった。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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