第七十一幕『絶海に、ただ独り』 ページ45
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近寄って、その手を取った。
すると、Aはもっと笑う。
「凛月
…きっと思い出してくれるって思ってた
凛月には皆がいるから」
笑ったまま、Aは目を閉じ、子守唄みたいに話し始めた。
「私ね、見ての通り体が弱かったから
皆の元から早めの内に離して貰ったの、親にね
…別れるとき、寂しくならないように
でも、もう遅かったの
離れてからすぐ、…寂しくなっちゃってね
……もう一回だけでいいから、…皆に会いたいって」
その目尻からは、透明な涙がこぼれ落ちた。
それを拭うと、Aは俺の目を見てまた微笑んだ。
「そしたらね、叶えてくれたの
”まま”が」
「…まま、？
……みけじママン？」
俺が問うと、Aは頷いて。
「だから、あの世界を消すも生かすもあの人には自由自在
…でも、あの世界にいるうちは、私は昏睡状態だったらしくてね
この世界で、あの世界で過ごした時間は大体夜の寝ている間。
だからこの世界でいう、あっちの世界は夢。
ままが見せてくれた夢が、今ここに、皆を導いてくれたの」
「……、体は、大丈夫なの…？」
「うん、今はこの通り元気。
今ならピアノの連弾、出来ちゃうよ」
微笑んだAを、抱き締めた。
震えた手を、誤魔化すように。
溢れそうな涙を、堪えるために。
「……今度はもう、勝手に消えないで
寂しいのを避けて寂しくなっちゃったって意味無いじゃん…
……独りで寂しがらなくたって良いんだよ、夜は俺が傍にいてあげられる
……いつでも俺達はAの傍にいる
だから…」
顔をあげた時、Aの瞳からはぼろぼろと涙が溢れていた。
それを見て、つられる俺の涙。
「……だから、
………傍に、…いてよ」
絞り出すようにして、出した声。
Aも俺も、涙をぼろぼろ出して。
「……それ、…泉くんもおんなじこと、……言ってたよ
嵐も、司も、…レオくんも、独り言みたいに
……ごめんね、凛月
ありがとう、此処に来てくれて」
「…A、…俺、」
「リッツ
それから先は言わせない」
笑って、月ぴ〜が現れるのを始めに、皆がひょこひょこと入ってくる。
「…油断すると抜かすわァ、この子
駄目よォ？Aはアタシ達の可愛いお姫様なんだから」
笑ったナッちゃんに、Aは指で擦って涙を拭く。
それをセッちゃんは慌てて止めた。
そして不意に、月ぴ〜が口を開く。
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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