二度目の乱舞 ページ23
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漸く体が動くようになってきた。
起き上がって、少し痛んだ傷に顔をしかめると、Aが不安そうな顔をした。
「…あー……、…ごめん
…大丈夫だから」
「…大丈夫じゃないでしょう」
ふらふら立ち上がった俺に、Aはまた、目を潤わす。
それに物凄い罪悪感を覚えた俺は、少し目をそらしてから、ゆっくりと手を差し出してみた。
「…、？」
「…ねえ、俺にちょっと力をわけてよ」
そんな俺に、Aはすぐに頷く訳もなく俯いた。
「……、力を与えたら
また、行っちゃいますよね」
つくづく、この子は優しい子だなぁ、と俺は思った。
好きだなぁとも、守ってあげなきゃ、とも。
「…これ以上休んでたら、皆が危ないから
力を貰えば、俺、元気出ちゃう」
ふふ、と笑って見せた。
ずきん、と脇腹が痛む。
笑みは、崩れなかった。
「……、無茶、しますね」
そう言って笑った少女の瞳から、一粒、またこぼれ落ちた涙。
…この戦いが終わったらもう二度と、
この涙を見ることはありませんように。
「…、
Aと、みーんなの為にね
…鬼さん頑張っちゃうよぉ」
そう言った途端、急に抱き締めてきたAに、俺は目を丸くする。
「……、ん？」
「…冷たいです
イズミさんも、リツさんも」
ぎゅう、と力は僅かに強くなる。
でも不思議と、傷は痛まなかったし
その時は、体に熱がこもっているような、そんな温もりを感じた。
「…、」
「…冷たい人って、心が温かいらしいですよ」
顔を俺に埋めて、Aはそう言って、
そのまま、一言。
「…ありがとうございます、リツさん
…私を、守ってくれて」
「…どう、いたしまして？」
離れたAに、俺は首を傾げ、そう言う。
すると、Aはうっすら笑って、手を後ろに回した。
「もう、大丈夫です
行って、レオさん達を助けてあげてください
…私は、いつも皆さんの傍にいます」
いつの間にか、傷口は塞がっていた。
痛みも無くなっていた。
少し背伸びをして、俺は呟く。
「…負けらんないじゃん
…そんなこと、言われちゃったら」
森を抜け、眩しい日差しに目を細め、俺は再び剣を抜いた。
「…ねえ、『紅鬼』
…俺の全て、全部あげるよ
だから、…勝たせて
“狂喜乱舞“」
息を吸って、吐くように。
「もう一度、力を頂戴
…“月の紅華“」
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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