第六十幕『真偽と消失書』 ページ1
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「…斎宮、入るよ」
彼が立つのは、廃れた街のぽっかりと何もない空き地。
そこで、一人で喋っている。
と思えば、彼は目の前に手を差し出し、そこに何かを描き始めた。
それが形になると、そこには立派な扉が現れる。
「おかえんなさい、セナ先輩
話は聞いてるで、大変やったなあ…」
扉から現れたのは、ローブ姿のみかりん。
そのみかりんに連れられて、その扉の中へ入り、長い廊下の途中でセッちゃんは言った。
「…斎宮の術か何か？」
「…さすがセナ先輩やね
お師さんの書斎にある水晶で、セナ先輩達を、…まあ主にAちゃんなんやけど…
いつも見守ってるんよ」
「…説明が省けて最もだけど
守秘義務とかどうなってるわけぇ」
「…はは、そこは目え瞑ってほしいわあ
……それよりも、Aちゃんとあのミケジマいう人の話聞いた感じ、…あの人が言う話はある程度は本当やけど、もう半分は嘘で出来とる
それは薄々気付いてはおるんやろ？」
困った表情のみかりんに、セッちゃんは頷いた。
「…やっぱりね
死神の話にしても、繋がりが若干おかしかった
…でも、あいつが嘘を言っているようにも聞こえなかったのは、…きっとあいつの嘘がちゃんとした理由を持っていたから」
「あの人の目的がAちゃんの護衛なんはとりあえず間違いないと思うんやけど
それがどうして、あの人がAちゃんを守って、そして急に現れたんか
…あの人の謎はまだまだ多いなあ」
「…なるほどね
あんた達でもわからないか
……あんな奴、今まで何処でも見たことなかったから」
「…あの人の話では、この世界の創始者、そして死神を産み出してんのはAちゃん
まあそれは違いないと思うねん
これがひとつ、セナ先輩らについたあの人の嘘」
黙りこんだセッちゃんに、みかりんは続ける。
「この図書館の本読んで、あの人の正体は探ってる最中やけど、…やっぱ簡単には見つからんね
結構時間かかりそうやわ」
「しょうがないでしょ、それは」
「…ごめんなあ
……それとなあ、先輩が探してるモノなんやけど…」
みかりんはそう言って立ち止まり、一本の道の中の何の変哲もない本棚に触れ、呟いた。
「此処の中にあるらしい、鍵になる本？
…そな大事な本ならお師さんの所にあるはずなんやけど
…何処にもないんよ、それ
お師さんの記憶にもない言うて、…どーゆうわけなんやろなあ…」
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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