5 - 1 清純 ページ30
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「流星隊って、仲良いよね
羨ましい」
そう言うと、それぞれ顔を見合わせ、後輩達は笑った。
「そうッスか…？
喧嘩も多いッスよ
隊長はあんなだし、深海先輩も結構自由人ってとこがあるし」
「性格が合わないときもあるっすよ
…個性凄いっすから、俺達」
「そうでござるな
隊長殿はいつも声が大きいでござるし
深海殿はいつもぷかぷかでござる
拙者も忍者でござるし
鉄虎くんは結構熱血なところがあるでござる
逆に、翠くんは控えめでござるな」
いよいよぷかぷかし始める奏汰と
それを全力で止めようとして巻き込まれる千秋を遠目に
砂浜でどっかりと座り、鉄虎は変わらず笑みを浮かべる。
「A姉は誰とも仲が良いイメージッスね
あ、仲が良いっていうか
付き合いやすい、みたいな？」
「A殿ならば拙者もきちんと会話できるでござるよ」
「…A先輩は、Knightsの人達と仲が良いように見えるっす
Knightsの人達、難しくて俺は正直苦手なんすけど…」
そう言った翠に、苦笑いで土に目線を落とした。
「んー…、まあね
泉は素直じゃないんだけどちゃんと優しいんだよ
凛月は寝てばっかりだけど、ほんとは人懐っこいし
嵐は、ちょっと変わり種だけど気遣いちゃんとできる子だし
そうだ、司は一緒じゃん
司とは話さないの？」
「朱桜くんッスか…
俺はあんまり…？
関わりがあるとしたら同じクラスの忍くんとか？」
「拙者コミュ障であるからして…」
笑って、頭に小さな雛鳥を思い浮かべて。
「司は、悪い子じゃないよ、正直者
面白いよ、あの子
司に扉、顔にぶつけられたことあるしね」
「え”…！？
それ大丈夫なやつスか…！？」
「…あ、それ通りすがりに見たかも……
朱桜くん、大騒ぎしてたから…」
「…A殿、Knightsの先輩達や朱桜くんのこと、楽しそうに話すでござるね
今、リーダーがいないとかで大変らしいでござるが
拙者達が入学した頃からいなかったでござるし」
小さく笑った忍はそう言って、体育座りをきゅっと整えた。
「よかったでござる、楽しそうで
皆心配してるんでござるよ」
「…、心配？
……かけてた？」
「実は、今回の海、本当は守沢先輩が瀬名先輩に頼まれてたんスよ
暇な時に連れ出してやってほしい、って
A姉、海が好きだから、って」
涼しげなさざ波の音が、
その時だけ、やたらと大きく聞こえた。
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