1 - 2 シナリオ ページ3
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何度も受けた授業は、もう飽きた。
2〜3回目から、暗記。
4回目で、先生の言う事を一言も外さず復唱出来るようになった。
今ではもう、授業を受けずにもテストは結構良い線にいく。
だから、屋上でただ空を見上げている。
この空も、もう飽きた。
「……、」
「授業をサボるとは、悪い子じゃのう、A」
それに目もくれず、言う。
彼と、あと4人だけが、この世界で”毎回違う動き”をする。
「覚えたよ、授業の内容も
…あのテスト点なら文句言われない」
「この時間軸を繰り返しているとバレれば厄介なことになる
…あまり余計な動きはせんことじゃ
……そうでなければ、お主が酷い目に遭うぞい」
「わかってる
少し休みを貰ってるだけ」
「それを休みと言わん、サボりと言うんじゃよ」
「零だって同じようなことしてるじゃない
私にばっかり言わない……
……っと、……私性格も悪くなったな、ごめん」
「構わん、Aは第2の妹弟みたいだからのう」
けらけらと笑った零に、ふと頭を横切った顔を重ね、ため息を吐いた。
「妹になった覚えはないんたけどな…
……次の授業から出る
だから、零も出なよ、授業
…、心配かけたのは、悪いと思ってるから」
立ち上がって、屋上の戸を開け、立ち止まる。
…何故か、回りにはいつも彼らがいる。
「…、…ごめんって
……どうして渉も此処にいるのさ」
戸の上に腰かけ、彼は長い髪を揺らす。
「Aを独りにしてはいけませんからね
繰り返す繰り返さないは別としても
貴女は寂しがりやですから」
「だからってサボる…？
やりたい放題じゃん…
此処に今の時間先生が来ないの知ってるからってさ…」
「奏汰なんか水浴びですよ？
それよりはマシでしょう…☆」
「そういう問題じゃない…」
階段を下りている最中に鳴る、鐘の音。
この世界は、人の言うことも、仕草も、
空の雲の流れさえ、変わらない。
全て、シナリオ通りに進む。
何処に誰がいて、誰がいないのか。
それは、大体わかる。
「…、！」
「あれ、Aじゃん
今の時間そこから降りてきたってことは
…あんたも自由人だねぇ、A」
それなのに、
そこには、私の予期せぬ人物がいた。
「り、…つ？」
「…、何で驚いてるの？
俺が此処にいるの、おかしい？」
彼は今、”シナリオ”と違う動きをしている。
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