Knightsだけのお嬢様。Final【あんスタ】

182 空に煌めくスターマイン ページ32

「ちょっとぉ？今日は前日だから合わせるって言ったでしょぉ？

なんでほぼ遅れてくるわけぇ？そもそもいない奴もいるしぃ」









カレンダーにただひとつの赤丸。


今日の日付はその前日を指していた。









「…嵐は凛月を探しに行ってるんだよ…
司はレオ探し……」







「Knightsの恥さらしでもしたいのかねぇ？
ほんっと手が掛かるったらありゃしない…」









大きくため息を吐いた泉。









「………泉、緊張してる？」








「…はぁ……？



俺が何年プロやってきたか知ってるでしょ…？
たかがこんな学校のライブくらいで緊張なんか…」








「手、震えてるから」









僅かに、揺れる指先。


行き場を探しているかのように、手は半端に開いていて。






少し強ばった表情。








空は赤く染まっていて、時は夕暮れを指す。



もう、終わりはすぐそこまで迫ってきていた。









「…………Knightsが終わる実感なんて、あるわけないじゃん」









静かなレッスン室に響いた、その声。









「俺にだって、不安くらいあるから



……Knightsじゃなくなった俺が、外で " 一人で " やってけるのかなって

…突然そんなにさ、卒業とか言われたってさ
計画立ててた、進路決めてたって、…どうしたら良いかわからないじゃん」









指先が、テーブルに置かれたKnightsの衣装にそっと触れて。









Knightsに全てを捧げた。



捧げたからこその、不安だった。

Knightsを抜けた後の、見えない未来。






Knightsが、大きな存在であった証拠だった。









「………大丈夫


ちゃんと見てるよ、泉なら大丈夫
いつも通り、楽しめば良いんだよ


いや、いつも通りじゃない
いつも以上に、楽しめば良い」









そうして、肌に感じるんだ。







支えてくれていた、仲間の温かさを。力を。


自分達についてきてくれた、ファンの人達を。






自分達の居場所であったライブの、楽しさを。









「凛月ちゃん連れてきたわよぉ〜」







「leader捕獲いたしました」



「うっちゅー☆」









流れ込んできたメンバー達に微笑んで。









「さぁ、最後の合わせだよ、頑張れ




それで終わったら

今日は皆で帰ろう」









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かけがえのない時間を


今、静かに感じて。









.









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