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「あ!何二人でお揃いしてるの〜!わたしもポニテにしよっと」

開口一番そう言った彼女は、色素の薄い茶色の髪を季実子と同じように高い位置で一つに纏め上げる。これで立派なポニーテール集団だ、とでも言わんばかりに三人は並ぶと鏡を見て笑った。やがて、ダンストレーナーと細坪が共にレッスン室にやって来て、いつもと同じ様にレッスンが始まる。内容は、ジェイミーがセンターを務める"そよ風の口づけ"の総まとめだ。"そよ風の口づけ"と聞くと、どうしても昨夜のことが思い浮かんでしまう。本当に、まるでこの曲の歌詞をなぞったかの様な昨夜の出来事だったが。それは彼女の集中力を奪うどころか、逆に熱を篭もらせた。
 いつもより熱が篭っていたせいか、幾分も疲れた身体が彼女に重力となってのしかかってくる。レッスンが終わると同時にその場に倒れ込んだ季実子は「あづい」と、冬には全く似合わない台詞を吐いて、ゴロゴロと自身の体で床の掃除をしだした。

「服が汚れちゃいますよ〜」

愛花から呆れたように注意されるが構わない様子で、相当疲れたようだ。元々マカロンズはキャンディーズと同じ振り付けで歌う為、あまりダンスに激しさは無い。しかし、キャンディーズと同じ様に歌声で美しいハーモニーを奏でながら動かなければならず、プロデューサーの拘りにより口パクも許されないのだ。そんな練習を本気でやって疲れない訳がない。ジェイミーや愛花の様に十代の若い少女達ならまだしも、季実子の様な二十歳越えた少女と言えない年の人間であれば仕方のない事なのだろう。とはいえ泣き言も言っていられないので、季実子はダラダラと床に這いつくばるのを止め、勢い良く上体を起こす。すると、部屋の隅で細坪とトレーナーがコソコソと話し合っているのを見つけ、彼女は首を大きく傾げた。珍しく結ったポニーテールがハラリと肩から落ちる。やがて二人は内緒話が終わったらしく季実子の方を見遣ると、二人して彼女の元へと一気に詰め寄った。

「季実子」
「な、なんですか……?顔が怖いんですけど……」

細坪とトレーナーは一度顔を見合わせると、また季実子の方に目を遣り。二人で打ち合わせでもしたのかと言うほど声を揃わせて言った。

「やってんなぁ」

季実子どころか、愛花とジェイミーの目までもが点になる。

「やってんなって……。何がですか?」

・→←stage.10【白い冬】



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設定タグ:仮面ライダービルド , 石動惣一 , エボルト   
作品ジャンル:ラブコメ
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うれい(プロフ) - Haiterさん» コメントありがとうございます!マスターと夢主のやりとりは一番楽しんで書いているところなので、お褒めいただき嬉しい限りです!夢主まで好みと言ってくださるとは……!これからも性格の悪い彼女が暗躍しますが、彼らの幸せを願って下さると幸いです^^ (2018年12月9日 15時) (レス) id: 41522bcf43 (このIDを非表示/違反報告)
Haiter(プロフ) - 初めまして、コメントさせていただきます。マスターとヒロインのやり取りが可愛くてニヤニヤしながら、毎回読ませて頂いてます!ちょっとダークなヒロインも好みで大好きです!これからも更新楽しみにしております(*´▽`*) (2018年12月8日 23時) (レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サインバルタ | 作成日時:2018年11月20日 6時

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