雪が降らなければ：前編（お相手：エルヴィン） ページ7
「……寒いな」
エルヴィンは鼻をかみながら窓の外をぼんやりと眺める。
世間は今や年末。
国の平和を守る役目の駐屯兵は相変わらず仕事だが、調査兵や憲兵団はお役御免だ。
普段は忙しい兵士達も、この時ばかりは実家や故郷に帰って思い思いの相手を過ごす。
しかし今年のエルヴィンは風邪をひいている。
医務室も閉まっていて自室でじっとしている他ない。
本当なら、恋人のAと過ごすはずだった。
「はず」というのは、エルヴィンが風邪をひいているからではなく、恐らくAとはもう終わったからだ。
「恐らく」というのは、自然消滅だから。
11月初めからAと会っていない。
事の発端は、エルヴィンが女性兵士に貰った手帳を大事に使っていたからだ。
その兵士はエルヴィンと１年違いで入団した人で、調査兵の中ではよく話をする人物だった。
彼女がエルヴィンの誕生日にくれたのが、表紙が革でできた手帳。
「ずっと使っていた手帳が先日の壁外調査で破れてしまい、新しい物が欲しい」
その話をその女性にしていた事もあって、10月のエルヴィンの誕生日にプレゼントしてくれたのだ。
革製品で有名な店の物で、エルヴィンの趣味にあっていたから一目で気に入った。
そして同日。
恋人であるAと食事をする約束をしていたので出かけると、Aはエルヴィンが好きな店に連れて行ってくれてプレゼントもくれた。
Aがくれたのもノートだった。
しかし彼女のノートは布張りの物。
調査兵の彼女と、一般人で食堂の店員として働くAでは稼ぎが違うから、同じ物でも金額の差が出るのは仕方がない事だ。
しかしエルヴィンはAのノートもそれはそれで凄く嬉しかった。
エルヴィンを想って選んでくれたものに他ならないから。
エルヴィンとAは出身が同じ村の幼馴染だ。
学校も同じで家も近所。
恋人関係には、凄く自然な流れでそうなった。
Aはエルヴィンが訓練兵に志願すると決めた時も、調査兵になると決めた時も、何かに納得したように賛成してくれた。
そんなAの事をエルヴィンはとても大事に想っていたし、それはAもそうだと思う。
だからその行動に決して他意はなかった。
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ララ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます^ ^私もエルヴィンが大好きです。色々下書き段階までの作品がいくつかありますので、UPできましたら是非よろしくお願いします♡ (2023年3月19日 10時) (
レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - エルヴィン団長、推しているのでめっちゃ嬉しいです！！キュンキュンしすぎちゃいました笑笑 更新楽しみです！ (2023年3月17日 19時) (レス) id: 335fd73c74 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。現在執筆中ですので、また公開できましたらよろしくお願いします^ ^ (2022年6月3日 12時) (レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - キュンキュンしまくりですっ！更新楽しみにしてますっっ (2022年6月3日 0時) (レス) @page12 id: f1a393f59c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2022年3月6日 3時
