雪が降らなければ：前編（お相手：リヴァイ） ページ1
「寒い！」
Aは自分の身体を抱きしめながら、調査兵団詰め所を歩いている。
隣には同じく寒そうに肩をすくめているリヴァイ。
隙間風はあるとはいえ建物の中だと言うのに、リヴァイはコートの襟を立てて鼻まで覆っている。
両手はポケットにしっかりと入れており、鼻の頭が少し赤い。
「…そこまで寒い？」
少しリヴァイよりも背が高いAが、顔を覗き込みながら聞く。
「俺はずっと地下にいたからな。あそこはこんなに寒くなかった」
リヴァイはチラッと彼女を見てすぐに目線を前に戻した。
リヴァイはこの夏の終わりに、地下街から地上にやってきた。
地上の冬は堪える。
「地下と地上ってそんなに違うもの？」
「ああ。まず地下はここより風が少ないからな。これでかなりやられる」
そうして話している内にリヴァイは自分の仕事部屋に着いたので、軽くAに手を挙げて部屋に入った。
執務室に着いてもリヴァイはコートを脱がずに仕事を始めた。
今日は誰もいないので余計に寒く感じる。
窓がガタガタうるさい。
この音を聞くだけで寒い。
時々寒さに舌打ちしながら仕事をしていると、ノックの音がした。
返事をするとAが入ってくる。
なにやら台車を持ち込んできて、その上には大きなストーブが乗っている。
「寒がりなリヴァイの為にお持ちしました」
「なんだそれ」
「ストーブ」
「それは分かってる。なんだそのデカいのはって事だ」
Aはストーブを台車から降ろすと火をつけた。
「会議室用の高火力ストーブ。倉庫から拝借してきた」
「いいのか？」
「いいんじゃない？この時期に余ってたし。何か言われたら私が持ってきたって言っていいよ」
手際よく火をつけたAは、ヨシ、と頷いて部屋を出て行った。
Aの気遣いがありがたい。
ここに来て大した不便を感じないのは、彼女が何かとリヴァイを気遣ってくれているからだ。
このストーブだって、こういった物があるのかどうかも分かっていないリヴァイにわざわざ持ってきてくれた。
思えばこの自室にある毛布も、「寒がりなんだから」と、彼女が持ってきてくれた物だ。
ハンジに聞けば、Aは新兵の研修係になることが多いらしいので、配属されたばかりの人間の痒い所が分かるのかもしれない、と言った。
なにかとリヴァイの面倒をエルヴィンに押し付けられているAだが、いつも楽しそうに付き合ってくれている。
そんなAの事を、リヴァイは好きになっていた。
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ララ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます^ ^私もエルヴィンが大好きです。色々下書き段階までの作品がいくつかありますので、UPできましたら是非よろしくお願いします♡ (2023年3月19日 10時) (
レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - エルヴィン団長、推しているのでめっちゃ嬉しいです！！キュンキュンしすぎちゃいました笑笑 更新楽しみです！ (2023年3月17日 19時) (レス) id: 335fd73c74 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。現在執筆中ですので、また公開できましたらよろしくお願いします^ ^ (2022年6月3日 12時) (レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - キュンキュンしまくりですっ！更新楽しみにしてますっっ (2022年6月3日 0時) (レス) @page12 id: f1a393f59c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2022年3月6日 3時
