☾ ページ28
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藤ヶ谷の手が僅かに動き、でもすぐにストンと布団の上に落とされたのを気配で感じてもどかしさが募る
「……抱き締め返してくれないの？」
「………ぇ、……でも…」
「………もう俺には触れたくない…？ それも嫌……？」
「……っ！！」
自分で言って切なくなるなんて、何とも情けない話だ
だけど明らかな拒絶は無くてもやはり無理には、と離れようとすれば急に上半身だけ起こした藤ヶ谷に逆に痛い程の力で抱き締められた
反動で寄り掛かる形になった身体はそのまま藤ヶ谷の太腿の上に乗せられる
ギューッと音でも聞こえてきそうな腕の強さ
「……俺がずっとどれだけ我慢してたと思ってんの…っ。…宏光に触れたくて抱きたくて仕方なかったんだよ馬鹿……、」
「だ、って……お前、この前……っ」
「…ごめん。 ……本当に、ごめん…」
今の体制のおかげでいつもと真逆、俺の方が顔の位置が上になる
肩辺りに額をあて胸に顔を押し付けてくる藤ヶ谷の少しくぐもった声
「ごめん」とダイレクトに耳に届いた言葉に先程堪えた筈の涙が今度は我慢出来ずに自分の目から溢れ出していた
「なんて謝っても、何回ごめんて伝えても、許して貰えないぐらい酷い事したって分かってる…。傷付ける事も言った。 …でも俺は変わらず宏光の隣に居たい。一緒に居たい。 …だから、」
上げられる顔
続きを喋る隙さえ与えずその唇にすかさず、かぶりつく様なキスをした
頬を押さえ、一秒でも離すまいと息つく事すら惜しい程に少し強引に割入れた舌を絡ませていく
「……ひろ、っ…」
僅かに生まれた合間に零れる吐息混じりの声
…もう本当に駄目だと思っていた
戻れないだろうと覚悟もしていた
だけどこの、優しくも強く自分の手を握ってくれる温もりから離れるなんて…
そんな事はやはり無理な話だ
「……許さない、から…。離れるのも、もう何か隠すのも…。…俺の前ではただ素直で居ろ……っ、」
時には無茶な状況も乗り越えなければならないのが自分達の仕事
だからこそ、もし身体や心が追い付かなくなってしまった時は一番傍で支えたい
誰より甘えて、頼って欲しい
「…宏光、泣かないで」
「…誰のせいだと……っ」
「…ごめん、」
「……」
「ごめん…」
背中に回されていた腕が解かれ、両手で顔を包まれた
そっと、親指で涙を拭われる
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます！最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (
レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kurumi
| 作成日時：2022年8月4日 0時
