心の声【her view】7 ページ34
「ガイだけじゃなくて……私の事も警戒してくれるんだ。久しぶりだね……イタチ。」
横に並び立つ男から視線を移して厳しい顔のままそう呟けば、視線が交わる。
「……お久し振りですAさん。お元気そうですね。」
「そうね、イタチも。それにしても……随分とカカシを苛めてくれたようね。」
少しばかり怒気を込めて呟けば、目の前の二人が身構えるのを感じた。
「……A……やめろ……相手は写輪眼をっ……」
「カカシは黙ってて。」
後ろから聞こえて来た弱々しい声にぴしゃりと言葉を突き返す。
「……相変わらず、貴女はカカシさんの事となると熱くなるようですね。」
「……たとえ相手がイタチでも……カカシを傷付けるのは許さない。干柿鬼鮫まで連れて、何がしたいの?」
戦闘態勢を取るAとガイに、鬼鮫がイタチの前に踊り出る。
「おや……貴女、私を知っておきながら闘うつもりでいるんですか?いい度胸ですねェ。」
ニヤリと笑いながら殺気を放つ鬼鮫と一触即発状態のAに水を差したのは、イタチだった。
「鬼鮫……止めだ。」
「っ?!」
「俺達は戦争をしに来たんじゃない…残念だがこれ以上はナンセンスだ。帰るぞ。それから、Aさん……貴女には伝える事がある……いずれまた。」
「せっかく……疼いてきたのに仕方ないですね。」
素直にイタチの声に従い、戦闘態勢を解いた鬼鮫とは対照的にAは声を張り上げる。
「何を勝手にここから逃げようとしてるの?!私が簡単に逃がすと思ってる?」
「いいえ……でもほら、貴女の大事なカカシさんがもう限界なようですよ。」
Aが印を構えて攻撃態勢に入った瞬間、顎でクイッと後ろを指したイタチの示した方へ視線を動かせば、カカシの身体がぐらりと揺れて水面に倒れ込んだ。
「カカシっ!?待ちなさいっ!!イタチっ……」
即座に近寄り、水面に沈みかけたカカシの身体を支える。
そうしてAが再びイタチに視線を向けた時には既に距離を取られていた。
「いずれ……また。」
結局イタチがそう呟いて背を向け去って行くまで、Aは彼等に何をする事も出来ずぐったりと身体の力を無くし、気絶してしまったカカシを支えるのが精一杯だった。
「っ何なの……イタチ。」
不安気に瞳を揺らして呟いたAの声にアスマや紅も神妙な顔をして見せた。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時