誰が為の【his view】3 ページ24
せめて
Aだけはどんな事をしても死なせるものか
ミナト先生とクシナさんを失って自分自身どうしていいか分からない状況だったけど
それでもAだけは絶対に死なせないと
物を食べようとしないAの口に何度も無理矢理食べ物を突っ込んで食べさせた。
Aはかなり嫌がったけど、目の前で自分も無理矢理食べる姿を見せればAは大人しく食べてくれた。
互いにあまり眠れない、食べれない
そんな日が続いていたけど
一緒に居ればほんの少し気持ちは安らいでいた
それでも、リンを手に掛けてしまった時の感覚は簡単に消えてはくれなくて
ある日の夜、自身の拭いきれないトラウマに悩まされている姿をAに見られた。
リンを殺した手の感覚
それを、消したくて泣きながら手を洗い続ける俺を止めたのは
生気を失くしている筈のAだった
辛いくせに
泣きたいくせに
『カカシ、ごめんね。私はもう大丈夫だよ……心配かけてごめん』
そう言いながら俺の背に頬を寄せ温かな涙を流した翌日から
Aは日中人前で常に笑顔を絶やさないようになった
その反動で夜中泣き叫んだり、嘔吐したりするのにだ
Aはそれを隠していたつもりだろうが俺はそれを知っていた
知ってて何も言わなかった
辛いのは俺もAも同じなのだと
どこかで安堵してしまったから
「ったく……この状況で考え事とは相変わらず余裕綽々でムカつく!」
言葉と共に現実に引き戻されたカカシの目前に繰り出されるAからの攻撃は、幾度となく組手を交わしてきたお陰で大概パターンが読める。
「そっちこそ、全然本気出してないじゃない。」
勿論Aもそれは同じで、カカシの攻撃を流れる様に防いでいく。
そんな二人の組手にいつの間にか教え子達の視線も集まっていて、興奮気味にヤジを飛ばすガイの後ろから声援を送り始めた。
「すっげぇー!!A先生、全然カカシ先生に負けてないってばよ!!」
「ホントっ!!カッコいいA先生!!頑張れーっ!!」
「フンッ……男の癖に負けでもしたら恥だな。」
えぇ……ナルト、サクラ、サスケ……お前等の先生俺なのに……
そう思いながら若干表情が崩れた俺を見てAは笑い出す。
「かわいそうなカカシ先生っ!!みんな私の味方みたいだよ?」
「あーはいはい、そーですね。」
「傷ついてる?」
「いや全然。」
「へえ?」
「っ?!」
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時