誰が為の【his view】4 ページ25
ニヤリと口元に弧を描いたAの姿を見失った瞬間、幻術に掛けられていた事に気付いた。
成程……ここまでしつこく体術ばかりで攻めてきたのは、この幻術を仕掛ける為の罠だったわけね。
「幻術……苦手なくせに。」
そう呟いて印を構え解術すれば、あっという間に術は解けたけど、同時に足元に広がる術式に目を向け目を見開く羽目になってしまった。
「っこれはっ?!」
「もう一人の師匠直伝、封印術の応用だよカカシ。私につける条件を一つにした時点でカカシの負けは決まってた。」
Aの奴、いつの間にかクシナさんに捕縛系の術式も習ってたのかなんて少し驚きつつ、脱力する。
この術を破るのには恐らく写輪眼は必須。
チャクラも相当消耗する。
忍組手でそのリスクを背負う必要は無いし、俺がそうしない事をAは良く分かっている。
だからAは、やれやれと戦闘体勢を解いた俺の肩にポンっと手を乗せて、ナルト達に得意げにVサインを送って見せた。
「勝負あり!勝者A!!」
ガイの宣言で上がる歓声に俺は溜息を吐く。
「カカシ、私はね……ミナト兄さんとの修行より、クシナ先生との修行の方が……めちゃくちゃ怖くてきつかった。」
耳元で教え子たちに聞こえない様に呟いたAに、クシナさんとの修行の様子を想像して思わず笑ってしまった。
「なんだなんだ?カカシ先生ってば、A先生に負けたのに笑ってるってばよ。」
「見ちゃダメよナルト!!あれは、負けたのが恥ずかしくて笑ってるんだわ……きっと!!」
「フンッ……情けない奴。」
「オイオイ君達……ちょーっと先生の事バカにし過ぎじゃない?」
口々に好き勝手言ってくれちゃうこの三人の教え子は、何処か昔の俺とオビト、そしてリンに似ている。
先日Aが家に来て、ナルトとサスケがオビトと俺に似ていると言っていたが、本当にその通りだと思うことが多々ある。
だから今度こそ……誰も失う訳にはいかないんだ
Aの為にも
「よーし、お前ら。ちょっと付き合え。」
「「「え。」」」
にっこり笑って修行に誘えば嫌な顔を見せるこの三人が一人前の忍になれるその時まで
師としてしっかり導いてやらないとならないなと、ガイや他の教え子達と笑い合うAに視線を向けながら考えていた。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時