《6》 ページ21
レオside
レオ「やっと退院できるーーっ！
泉「ほんっとうるさいんですけどぉ〜……ったく…でもまあ、退院できて良かったねぇ、れおくん」
おれの目に映るもの全てが輝いて、その全てに音がのってる。
早くそれを書き残さないと、おれの傑作が消えてっちゃう。
急げ急げ、とノートに書き記している間、セナは呆れたみたいにおれを見てた。
でも、その隣におれの親友がいなくて、おれは作曲する手を止めた。
レオ「なぁセナ〜Aは？おれAにはやく会いたい！」
おれのその言葉を聞いて、セナは笑うと思ってた。
Aなら後から合流するんだよって。
じゃあ早く会いに行こっかって、そう言ってくれると思ってた。
なのに、セナはちょっと困ったように笑って、その後苦しそうに俯いた。
レオ「…セナ〜？」
泉「…………Aに避けられてる」
ぽつん、と呟かれた一言に首をひねる。
セナって時々訳わかんないこと言うんだよな〜
レオ「え〜？またセナがゲンコツ落としたんじゃないのか？それは自業自得ってやつだぞ！」
泉「ううん、何もしてない…と思う。れおくんが入院してから……声掛けても逃げられるし、目も合わせてくんないんだよねぇ……」
セナが何もしてないなら、なんでAは避けるんだろ。
Aは優しいやつだし、自分が過去に対人関係で辛い思いをしてるから、むやみやたらにそーゆーことしないと思うんだよな〜…
結局この日はセナと2人で帰って、翌日の学校でAに話しかけよう！って思った。
でも、Aは逃げた。
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作者名：魚
| 作成日時：2020年11月25日 12時
