◆俺だけだろ...ｯｯ？！◇4【宮地清志】

love＊79 ページ21

貴「み、宮地…さん….？」







ほんとに


来てくれた








宮地さん、息荒い




走ってきたんですか…？






宮地「…鈴野、誕生日、おめでと….」






そう言いながらぎゅうっと腕の力を強くした。



嬉しくて



胸がドキドキした。





貴「ありがとうございます、来てくれて」





私も宮地さんの背中に手を回した。





そのとき、気がついた。





貴「宮地さ、……どうしたんですか？これ、」





よくみると

宮地さんはボロボロだった。



服は土で汚れてて



手は切りぎずでいっぱい。



頬にも





宮地「….鈴野、ごめん、プレゼント…渡せないんだ」


貴「……え？」




それから、


プレゼントについて



宮地さんは話し出した。








宮地「バカみてーだな、あり得ない。彼女に買ったプレゼントなくすとかほんと…」




貴「…バカですね…」



宮地「ははっ、だよなー」




悲しそうに笑う宮地さん




ほんとに




バカですね…宮地さんは








私は、ベンチにへたりこんでる宮地さんをもう一度抱き締めた。






貴「…こんな、怪我して….野良犬追うなんて…バカです」







なんでこの人は



こんなにも私のためにしてくれるの





プレゼントなんて、いらない




その気持ちが嬉しかった。





こんな傷作ってまで




時間に遅れてまで




必死にプレゼントを探してくれた宮地さん









最高の

日だと思った。









貴「こんな….嬉しい日、初めてですよ….!!」



宮地「！！」









宮地さんの目を見つめて


健気な宮地さんに、笑いかけて。





私は唇を重ねた。

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