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「おはようございます!『Trickstar』の皆さん!
僭越ながら、お迎えに上がらせていただきました!」
旅館を出ようとしたところ、七種が玄関まで迎えに来ており、その前には専用のバスのようなものが停留している。
『七種くん?』
「おはようございますAさん!朝から貴女様のお美しいご尊顔を拝見でき、大変感激であります!」
『そ、そう……
ところで、出迎えが来るなんて聞いていないのだけど』
「はい!誠に勝手ながら、送迎用の車を手配させていただきました!
こちらの旅館と秀越学園までは少し距離がありますので。
うちで手配したホテルからなら、徒歩5分圏内なんですがねぇ」
直前で宿泊先を先方が用意したホテルからこの旅館に変更したことについて苦言を呈する七種。
Aはそれに顔色ひとつ変えずにいる。
『それは、お気遣い感謝します』
「いえいえ!当然のことです!」
「茨、遅いよ」
七種と話していると、突然車に乗っていたのか、凪砂が降りてきた。
早朝ということもあって、髪は結ばれておらず、いつもよりも少し眠たげな印象だ。
「閣下っ!車の中でお待ち頂くようお願いしたはずですが……?」
「そうだけど、Aさんが見えたから。
おはよう、Aさん」
凪砂がフワフワとした笑みを向けてくるので、Aも困ったように笑いながら「おはよう」と返した。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2023年3月7日 1時