【あんスタ】貴方の愛を求めます２【朔間零】 (ページ10)

今日:25 hit、昨日:13 hit、合計:82,124 hit

６０ページ10

羽風とAのほうへ黙って近づいてくる零。

そっと羽風からAを引き離すと、自然とAを背後に隠した。

「ちょっと何、朔間さん？俺、Aさんとこれからデートに行こうとしてたんだけど？」

「それは残念じゃったな。じゃが、こやつはおぬしが扱えるような淑女などではないぞ？

気が強いし、中学の頃などイジメに立ち向かった挙げ句、遅刻して先生に理不尽に怒られた時にもド正論で返し、大の大人を泣かせたくらいじゃからな。

ナンパなんぞして中途半端な付き合い方をすれば、今度はおぬしが赤子のように泣かされる可能性もあるんじゃぞ？」

「あ～怖い怖い」と零はAの過去の逸話をつらつらと述べる。

「姉貴……そんなことしてたわけ？」

『そ、それはちょっと誇張しずぎじゃない！？

泣かせたんじゃなくて、土下座して謝らせただけ！』

「どっちにしろだよ姉ちゃん……」

しかし、そんな話を聞いても羽風は顔色一つ変えず零とAを交互に見つめた。

「なに？２人ってそういう仲だったわけ？

俺には女遊びはするなとか言っておいて？」

「何を勘違いしておるのか知らんが、Aと我輩は幼なじみじゃ。

まぁ学院では、あくまで講師と生徒という関係に徹しておるがのう」

零がそう言うと、羽風は「ふぅん…」と興味がなさそうな声を出す。