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252話黒木side ページ6

「よかった、アトロピンを持ってきていて」

上杉の声もする。

「いつも持ち歩いてるのか?」

「初めにここに来た時、庭にアコニツムが植えてあるのを見たんだ。普通庭にあるようなものじゃないんだけど大学教授だっていうし、緑の桜も植えてあるくらいだから、研究の対象として植えたのかなって思ってたんだ。悔しい知識があれば、アコニツムはリューマチの薬として使うこともできるからね。だから特別気にしなかったんだけど、ここに来るってことになって何となく拮抗薬を持っていった方がいいかなって感じて。桜田もそう言ってたし」

桜田が…。

部屋の前についたが、ドアを開けておくのを忘れていた。

「ドア開けて。電気つけて」

上杉が部屋のドを開け、アーヤが電気をつけ、俺が腕に抱いて運んでいた若武をベッドに横たえた。

若武の荒い呼吸は普通の呼吸に戻りつつあった。

「今、気がついたんだけど」

上杉が縁のないメガネの向こうで、切れ長の目を煌めかせた。

「玄関ホールの床にはワックスが塗ってあったろ。血.痕もあった。だけど、誰かが誰かに危害を加えたってことだとしたらおかしくないか。だってその人間を直接おそえば済むことじゃないか。わざわざ時間をかけて、ワックスを塗って転ばせる必要なんかないだろ。何故転ばせたのか。それはおそった人間が自分の体力に自信がなかったからだ。おそっても相手の抵抗にあって反撃され、逆にやられる可能性が大きかったからだよ」

それは男物の服を見つけたときに、予想はついていた。

バッグを奪った引ったくり犯がこの家に押しかけてきて小梅さんをおどし、そこで何かが何かがあって床に血.痕が残り、小梅さんが消えたというのが始めの俺達の推理だった。

その後小梅さんが表れて、推理の後半は否定されたが、前半はまだそのままになっていた。

しかしそうすると床にワックスを塗った理由がわからなくなる。

それで行きづまっていたのだ。

「ワックスを塗るには時間がかかる。他人の家に忍び込んだ人間にはしにくいことだ。だが、この家の人間だったらいつでもできる」

「小梅さんだな」

確認のために皆を見回した。

「異議はないよね」

皆は頷いた。

「じゃ犯人はそれでいいとして、最初の被害者は誰なんだ。ホールでおそわれて血.痕を残したのは?」

上杉が皮肉な笑みを浮かべた。

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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます!次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません!繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます!駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます!ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きょっちー | 作成日時:2019年11月30日 15時

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