253話黒木side ページ7
「毒が使えればワックスの必要はなかっただろう。つまりその相手は、ワッフルを出してもらえるほど親しくなかったってことだよ。そしておそわれたそいつはその後どうしたんだ？俺達が狙われた理由も不明だな。何故だ。おまけにこの家の中にいる俺達以外の人間の正体もわからない」
「でも急がなけりゃ。」
小塚が窓の外に目をやった。
「小梅さんが帰ってくるよ。それまでに僕達は態度を決めとかなけりゃならない。この事態をどう収拾するのか。つまりKZだけで調査を進めるのか。あるいは警察に通報するのか。それとも小梅さんを説得して自首させるのか」
その時だった。
いきなり玄関のドアフォンが鳴り響いた。
「門のドアフォンは鳴らなかったよな」
上杉がちょっと笑った。
「つまり黙って入ってきたんだ。玄関を嗚らしたのは、カギがかかっていたから仕方なくだろう。あまり歓迎できる客じゃなさそうだな。さてどうする？出るか、それとも無視するか」
そっと窓に近付きカーテンの隙間から玄関の方を見る。
「ちょっと来てみろよ」
笑みが浮かぶのを感じる。
「面白いことになったぜ」
皆は恐る恐る窓に近づき、窓枠から目だけを出して外を見た。
そこには1人の男の人が立っている。
背が高くガッシリしており、年は20代の半ばくらいで、頭にニット帽をかぶり厚手のパーカーにジーンズを履いている。
「あいつ吉野だよ。一昨日この家の前まで来てウロついて帰っていったところは見かけたけど、ついにドアフォンを鳴らしたってわけか」
「やる気になれる展開じゃん」
上杉が静かに言った。
「中に入れろよ。対決だ」
その時、後ろから若武の声がした。
「小塚」
見れば、若武が片肘をついてベッドから身を起こしていた。
顔色はまだ青かったが、その目はリンとした煌めきがあった。
「庭力らアコニツムの根を掘ってこいよ。吉野にも、あのクソババアにも飲んでもらおうじゃないか」
小塚は困ったような顔になった。
「今の時期じゃムリだよ。それに陽に干さなくちゃならないし」
ベッドに歩み寄って若武の肩を抱くようにして寝かしつける。
「病人は大人しくしてろ」
若武はまだ逆らえるほどの元気がなかったらしく、されるままになっていた。
「これが片づいたらすぐ医者に連れていくから。悪いけどそれまで眠っててくれ。皆部屋から出て」
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きょっちー(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！次はシンデレラです。私もKZのみんなと旅行したいものです。これからもお願いします！ (2019年12月6日 7時) (
レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年12月5日 19時) (レス) id: 21a29bd71d (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - RiRさん» 返信遅くなってすみません！繰り返し読んでいただいているようで、本当にありがとうございます！駄作者のことまで気にかけていただいて…。これからも応援してもらえたら嬉しいです。 (2019年12月3日 16時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございますm(_ _)m気づいたら5周目ですww 応援しております。無理のない範囲で私に続きをお恵みください！ (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
きょっちー(プロフ) - 三毛猫さん» ありがとうございます！ただ今、新企画も企画中ですので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年12月1日 10時) (レス) id: 22142a784e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょっちー | 作成日時：2019年11月30日 15時
