今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:28,859 hit
小|中|大
二十四話 〜過去編5〜 ページ26
少しだけ、家族の話をしよう。
私の家族は、私を家族だとは思っていなかった。
理由は単純明快、この髪の色のせいだ。
家族は綺麗な黒髪なのに、私だけが真っ白。
アルビノかどうかは知らないが、この髪のせいというのは分かった。
あれだ。俗に言う虐待だ。
暴言、暴力は当たり前。
体裁を取り繕うため、常に長袖を強要された。
無視される日なんて無いほど。
それから守ってくれていたのが、お姉ちゃんだった。
それでも、子供は親の愛を求める。
私もそうだった。
親に見てもらうため、認めてもらうため。
勉強、運動、音楽、美術、文芸、料理etc.
そんなのは無意味だと分かるのに。
そのまま、家族はおにいちゃんたちに殺され、お姉ちゃんも殺されてしまった。
家族が殺されたと言うのは、別に悲しくは無かった。
ただ、お姉ちゃんの死が悲しかった。
お礼もできなかった。
今度、弓道教えてくれると約束したのに。
果たせなかった約束は、私の中に、後悔として居座り続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
70人がお気に入り
70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エル | 作成日時:2022年9月29日 20時