お願いどうか、嫌って下さい (ページ11)

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九話ページ11

藍香SIDE

零「なんじゃい葵くんや。我輩まだ眠いのじゃが･･･ふわぁ･･･ふ」

でも、何だか懐かしい･･･何だろう、この感覚。

全然知らない人の筈なんだけど。

記憶を辿ろうとして止める。

思い出さなくていい。

人前で醜態はさらせない。

周りの人に迷惑はかけられない。

ひなた「まぁ良いじゃないですか朔間先輩～今日はお客さん連れてきたんですから」

零「お客さん、とな？見えないのじゃが、もしかして、お主の後ろにおるのかえ？」

ひなた「そうですよ～朔間先輩怖がらせちゃったみたいですね～」

零「そうかえ･･･それはすまないことをしたのぉ。お嬢ちゃん、顔を見せてはくれぬかの？」

でた方がいいかな…。

藍香「は、はい。天音藍香と申します。よろしくお願いします」

一応後ろから出てきて自己紹介するけど、朔間先輩はこちらを凝視するだけで反応がない。

藍香「あ、あの･･････朔間、先輩？」

ずっと見られているということに良い思い出なんてないのだ。

過去を思い出したくないのに。

『おにいちゃん』とにているから尚更。

顔立ちが、雰囲気が。

零「おおっと、すまんのぉ。」

口調はともかく。

ひなた「じゃ、俺達行きますね～ちゃんと授業行って下さいよ～」

藍香「私も失礼しました！」

零「ククッまさかこんな近くに来るとは、ようやく見つけた、逃げられねぇようにしてやるよ」