22話 ページ24
ボールを持つ涼くんがダンダンとボールをバウルドさせる。
黄瀬「行くっスよ」
青峰の模倣だろう。姿勢を低くし、私を通り抜けようとする。
『させない。僕が絶対だからな』
黄瀬「その手にはのらないっスよ…!」
低い姿勢から起き上がり、元いた場所に戻る。
『でも、無駄だよ。僕が絶対なのだから』
手を伸ばし、涼くんの手からボールを取ると、ゴールへと進んでいく。
黄瀬「っ…!させないっス!」
『おいおい、そんなんじゃあめぇよ』
ひょいっとゴール裏に回り、ボールを投げる。それはスっとゴールを通り抜けていく。
黄瀬「負けっス。さすがキセキの世代の模倣が出来る咲楽っちっス」
『キセキ以外にもできるよ?例えば…』
転がっていたボールを拾うと、3Pエリアに行き、
『よっと…』
何度も見直した大好きな人のフォームをし、ボールを投げる。が、ボールはゴールの前でスカッた。
『あちゃー。入らなかったか( ´・ω・`)』
黄瀬「今の…」
『本人に出来を聞いてみます?』
チラッと隣のコートにいる人を見る。…まるで出来るのが意外だったのか目を丸くしていた。
武内「いいものを見せてもらった」
拍手をしながら監督さんが近づいてくる。
『満足していただけたでしょうか?』
武内「まるで第2の黄瀬みたいだな」
『黄瀬くんの方がミスらないので、そっちの方が強いかと。まぁ、少なくともここ海常高校のスタメンの技は全員使えます。他の高校のもいけますけど、ウィンターカップ前なので詳細は当たった時にでも…』
黄瀬「さすが咲楽っちっスね」
『大丈夫、涼くんも使えるようになるから(ゾーンに入ればだけど確か)』
武内「少し心配ではあるが、入部を認めよう。ただし、ひとつ条件がある」
『条件…なんでしょう?』
武内「選手に女子が混ざっているとバレると色々面倒くさい。そこでだ、男装をしてもらう。いいな?」
『なるほど。いいですよ』
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜花 | 作成日時:2019年12月15日 7時