すぐ近くに。【月永レオ】

3. ページ3

で、結局帰り道も同じだから、一緒に家へ帰った。


「…ただいま…って、今日お母さんいないんだっけ。」


「ちゃんと聞いてなよ。朝言ってた。」

鍵を置き、手洗いとうがいをする。


「…ねぇ、そういえばさぁ。」


泉が口を開いた。


また愚痴かな？


「…何？」


「…今日、王さまが…」


…王さま。


最近、泉の悩みの種の人。


九月くらいに停学が開けて、戻ってきたらしい王さまは、壁や床に平気で落書きをするとんでもない人らしい。(私の解釈と泉談)


けど、共に昔戦った仲間だから、結構信頼してるらしい。


顔を見たことはないから、あまりよく知らない。ましてや、泉が呼ぶ名前が『王さま』だから、本名も知らない。


Knightsのリーダーって聞いてるから、一度DDD(？)を見たことはある。けど、そこに『王さま』って人はいなかった。


後で泉に聞くと、なんでもインスピレーション(？)を感じてふらふらしていたんだって。


…色々、謎が多い人なんだな…


「んで、王さまがどうしたの？」


「……あいつ、今日も学校来てないんだって。もう一週間。まぁ俺には関係無いんだけど…」


……なんと。


「ったく…余計な心配かけないでほしいんだけどぉ…」


「……ふ〜ん…」


そんなに、自由人なんだ。王さまって。

4.→←2.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す