灰色の化物は他世界を歩む【バトスピ】part2

｢悔しい｣ ページ9

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駿太が負けた


結果的にエグゼも取られ
尻尾を巻いて逃げるしかなかった







現在、部屋の中一人で重傷を負った
駿太を治療しているが
その傷は見るに耐えない

それに奈瑞菜が癒せるのは精々外傷程度、
心の傷までは癒せないのである







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(残って…るのは……メイの十二神皇…だけ)






ヨクの十二神皇は
とある賞金首ハンターの女が持っているそうだ

敵では無かったみたいだが
そのハンターに勝たない限り
ゲイルフェニックスは帰ってこない






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＿グッ………





無意識に拳を握り締めた
唇を噛み締め、口の中に血の味が広がる


痛くない、と言うのは嘘になる
痛覚が在るのだから痛みは感じるが

痛いのを通り越して悔しさが
胸いっぱいに広がってるのだ







こんな痛み等、どうって事無い








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(………悔しい)







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駿太が倒され、エグゼを取られた時
タツミは奈瑞菜とメイを見た

あの時、一瞬レッドとピーコックを
取られるんじゃ無いかと恐怖を覚えてしまった





しかし、自分は十二神皇に
選ばれた勇者でもなんでない

ただエグゼとゲイルフェニックスの
祖先ともう1つの姿のカードを使う
化け物のカードバトラーだ






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｢ごめん､ね……駿太…………｣


ク｢何お前が謝ってんだよ｣


｢！クロハ…｣







いつの間にか部屋に入ってきた彼は
駿太を一度見ると、言う






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ク｢……俺だって悔しいっつーの…
　仲間のピンチを救えねぇなんてよ｣





黄色い瞳がどこか寂しそうに見えた


そうだ、クロハは駿太とヨクと特に仲が良い
そんな二人の大切なカードが
取られてしまったのを黙ってる筈がない









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二人は黙り混んだ


その部屋は少し､燻っている




まるで、怒りと悲しみを
精一杯に押し殺す奈瑞菜とクロハの様に





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