行き着いた未来 ページ5
コンクリートに染みを作って、ふと外を見れば夜だった。
このままではアズが来てしまう。
｢…ね、或人、もう…帰ろう？真っ暗だし、｣
とは言っても、涙は止まっていなくて、震え声になって。
｢…滅…！｣
イズのリボンを握りしめて憎き相手の名を口に出す。
膝立ちで自分の義手を手にして、ぎゅっと抱きしめる。
｢或人様｣
それは破壊された彼女と瓜二つの姿と声で私達を惑わせる
悪魔だった。
＿＿＿
或人が滅の所へ行っている間、私とアズはある廃れた廃墟で彼の帰りを待っていた。
｢…姉妹なんじゃないかってほど、似てるね｣
｢そうですかぁ？嬉しいです！｣
アズに直された私の義手にあるイズ視点の記憶をぽたぽたと涙を流しながら一秒一秒噛み締めながら見ている。
"ではAは社長の事が気になっている…と？"
"心拍数が上がりました、その様です"
"ちょ、分析しないで！刃さんも笑わないでよー！"
"すまん…！ついな、ふふ、"
映像が切り替わり、刃さんの代わりに或人がいた。
"100億借金…！？嘘だろ！？"
"ほんと人生ゲーム弱いねw"
"私は一足先にゴールへ行かせていただきます"
"イズったらずるいぃー！"
"あっはは！"
｢…イズっ、！！｣
結局未来を変えることもできなくて、更に苦しみが増える。
｢どうしたら、この苦しみは消えるんでしょう…ね？まぁ貴女を死なせてもよかったんですけどー、なんか物足りないので、貴女をループさせようかなぁと！｣
｢…！！あ、アズの仕業だったの、、それ｣
｢はい！次は…どうしましょうか？イズと貴女…両方死なせてみるとか、それか貴女がアーク様の目の前で死ぬか…？後者の方がアーク様にはクるかも…！！｣
苦しんでるのは私だけじゃない、繰り返す度に見る或人の表情、それを楽しんでるっていうの…？
｢次回はそうします！、頑張ってイズを止められるといいですねぇ…｣
これこそ悪魔の囁きだと、私は絶句した。
｢…或人、お、おかえり｣
｢さすがアーク様、向かうところ敵なしね｣
半分の檻に寄りかかり、苦痛の声を漏らす或人。
義手を置いて、或人の左手を軽く握って遠くを見る。
ぎゅっと握り返されたその手は強く、でも悲しさを含んだような冷たさを持っていた。
｢うう…ああ…！｣
｢泣かないで、私達がそばに居るから、アーク様｣
私の手を握っているのは或人なのにその目は私を見ていなかった。
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花丸(プロフ) - 哭梨さん» 本編で或人がアークワンになってしまった時は驚きました笑 ロスから抜け出せない中、こちらの作品に出会えてよかったです！更新お疲れさまでした！ (2020年9月6日 18時) (
レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - ベルモットさん» いやぁ嬉しいです！ありがとうございます笑 (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - 花丸さん» え、ホントですか！！？ものすごく嬉しいです〜！！私もまだロス中で← こちらこそ読んで下さりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
花丸(プロフ) - 或人が好きなので、最高でした！ゼロワンも終わってしまってロス中ですが、、、笑 この作品を書いてくださりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説作品を読みました。ストーリー性が結構好みでした。次回も楽しみに待っています。 (2020年8月18日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哭梨 | 作成日時：2020年8月11日 9時
