感謝 ページ23
｢…なにって｣
｢とりあえず、中に入ろう｣
びしょ濡れのバッグとスマホを持って、私を立ち上がらせ、屋上のドアを開けて床に毛布を敷く。
幸いここは廃ビルだったようで通報なんてのもなかった。
｢…ほんと、バカ｣
｢或人には私の苦しさなんて分かんないよ、どんだけ長く近くにいたってその人の全て知ってるわけないでしょ｣
｢分かる分からないの問題じゃない、そう簡単に命を捨てようとするなって言ってるの｣
優しく私の髪をタオルで拭く。
｢確かに居場所も無くなったら辛いとは思う、でも｣
｢誰かを頼れば少しは改善するだろ？｣
気が動転していて結莉乃にしか連絡を取っていなかったことに気付いた。
｢ま、幼馴染を忘れるなんて、結構傷ついたぞ｣
｢…ごめん｣
｢施設には戻りたくないだろうしどうしようか｣
｢…ちょっと、高校卒業まででいいから｣
近くに住まわせて、と声に出す。
｢はーい、了解しました！｣
さっきのような真剣な顔から或人の顔は一気に緩んだ。
＿＿＿
｢お金はあるみたいだけど、6万じゃ数ヶ月住むだけにしても足りない、かな〜…ちょっとじいちゃんに助けてもらおう！｣
絶対に返しますとは言ったが、或人のおじいさんはとても優しくて大丈夫だと何度私が返すと言ってもそう言い返した。
或人が住んでいるところの隣のアパートを借りて、荷物を置く。
｢よし、引越し終了！あ、Aって料理出来たよな？｣
｢まあ、多少｣
｢お願い！たまにでいいからご飯作ってくれない…？｣
｢…助けてもらっちゃったし、それくらい喜んで引き受けます｣
｢やった！｣
なんて会話をしたことで、或人にご飯とギャグの打ち合わせ的なことをしていって、学期最後の定期テストも終わり、卒業まで来た。
｢就職先…｣
或人には飲食店やらのバイトから始めると言ったけどおじいさん…是之助さんにお礼をしなきゃいけないこともあって、1番最適なのは…
｢…飛電インテリジェンス｣
このことは或人には内緒にしよう、
いつも笑わせてもらってたから次は私が驚かせてやるんだ。
難しい試験があると言っていたので過去の物も調べ尽くして試験に臨む。
そして、家を出て5年後、社長が亡くなったことで家族である或人が社長になり…
あれは面白かった、いい驚きだったなぁ
こんな日々が続けばいいのにと思っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花丸(プロフ) - 哭梨さん» 本編で或人がアークワンになってしまった時は驚きました笑 ロスから抜け出せない中、こちらの作品に出会えてよかったです！更新お疲れさまでした！ (2020年9月6日 18時) (
レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - ベルモットさん» いやぁ嬉しいです！ありがとうございます笑 (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - 花丸さん» え、ホントですか！！？ものすごく嬉しいです〜！！私もまだロス中で← こちらこそ読んで下さりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
花丸(プロフ) - 或人が好きなので、最高でした！ゼロワンも終わってしまってロス中ですが、、、笑 この作品を書いてくださりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説作品を読みました。ストーリー性が結構好みでした。次回も楽しみに待っています。 (2020年8月18日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：哭梨 | 作成日時：2020年8月11日 9時
