送信 ページ21
あれから数ヶ月、1週間に4回の頻度でお見舞いに行き、Aは手術とリハビリを終え、退院してきた。
｢んー、やっと思ったように喋れる！｣
｢前まで途切れ途切れだったもんね｣
Aの両親は彼女が生まれてすぐに事故で亡くなった。それから施設に入ったらしいけど忙しいだとかの理由で俺が迎えをすることに。
｢施設、もうすぐ出るんだろ？｣
｢そうだねー、自立できる歳に近づいてきたわけだから卒業したら就職先探すつもり
それに、下の子たちの面倒で施設の人達には相手にされないし、帰ってもリラックスは出来ないかな｣
背伸びをしながら欠伸をするA。
｢じゃあ俺と芸人目指す？笑｣
｢それはだめ！或人の夢を邪魔するみたいで嫌だし、私は観客として見たいのよ、あの面白いギャグ｣
｢照れるからやめてって｣
＿＿
｢じゃ、また明日学校で｣
｢無理しないようにね｣
｢はーい｣
遠ざかる背中に手を振り、笑顔を消して施設に入った。
｢…遅かったね｣
｢…そんなに出てってもらいたいんだ｣
｢17でも自立できるだろう、こっちは下の子の世話で精一杯なんだよ｣
｢それを今まで助けてたのは私なのに？｣
｢はい、荷物｣
私は退院したばかりで入院で鈍くなった体を動かしてここに来たんだ。
なのにこの仕打ちはなんなの、
｢高校の学費はこれで十分｣
重たいバッグに乗せられた封筒には6万ほど入っていた。
｢…そう｣
病院から持ってきた袋を降ろし、置かれた荷物を取る。
｢この中に貴方から貸してもらった服やタオルが入ってる、さよなら｣
こうなることを知っていたら、何か変わったのかと思うとモヤモヤして気持ち悪い。
＿＿
｢もしもし｣
｢ねぇ結莉乃、しばらく泊めてもらえないかな｣
｢…あ、うんわかった、ごめんね…いや別に何も無いよ？ただ急に泊まりたくなっただけで！｣
通話を切る。
近くの路地で座り、バッグを開けた。
中は雑に詰め込まれた制服と体操服、私が自分で買った服に軽く割れた写真立て、折りたたまれたリュックと毛布、財布など色々ある。
｢雑だなぁ｣
ゆっくり立ち上がって、或人にメールを送るため、アプリを開く。
｢…もう一回、事故に遭って、今度は＿＿＿＿｣
また明日と言ったけれど
むりかもしれない、
画面に涙を落としながら、送信ボタンを押した。
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花丸(プロフ) - 哭梨さん» 本編で或人がアークワンになってしまった時は驚きました笑 ロスから抜け出せない中、こちらの作品に出会えてよかったです！更新お疲れさまでした！ (2020年9月6日 18時) (
レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - ベルモットさん» いやぁ嬉しいです！ありがとうございます笑 (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
哭梨(プロフ) - 花丸さん» え、ホントですか！！？ものすごく嬉しいです〜！！私もまだロス中で← こちらこそ読んで下さりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: 8973bbcc5b (このIDを非表示/違反報告)
花丸(プロフ) - 或人が好きなので、最高でした！ゼロワンも終わってしまってロス中ですが、、、笑 この作品を書いてくださりありがとうございました！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: f266018fa7 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説作品を読みました。ストーリー性が結構好みでした。次回も楽しみに待っています。 (2020年8月18日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哭梨 | 作成日時：2020年8月11日 9時
