検索窓
今日:18 hit、昨日:5 hit、合計:12,306 hit

80 ページ35

梨花ちゃんが真ちゃんのことを好き。

それを知ったというか察したのは、バスケ部の合宿中だった。
正直悔しかったけど、俺は彼女に協力する道を選んだ。




「あのね、高尾くん……」

「ん?なにー梨花ちゃん」

集合場所から祭りの開催地まで歩いて向かっているとき、梨花ちゃんがこっそり俺に耳打ちしてきた。

「その……実は私、緑間くんのこと、まだ諦め切れてなくて……今日、もう一回、告白してみようと思うんだ。今日ダメだったら諦める。だから、ちょっと協力してほしいんだ、お願い!」

ソレは俺の心臓を抉るお願いだった。俺の好きな人が誰か、梨花ちゃんは知らないから、仕方なかったことかもしれない。

「……おっけ!任せて!」

俺は笑顔を作って、梨花ちゃんだけに聞こえるように、そう答えた。




梨花ちゃんの頼みを実行してから、数分でAちゃんは何かを察したのか、射的の誘いに乗ってきた。

射的を始めてからAちゃんは、俺に「梨花のこと好きでしょ」と聞いてきた。いや、声のトーン的にただの確認だった。まあ、俺がAちゃんの前でわざと顕著な態度を取っていたというのもあるけど。
しかしあまりにもいきなりだったため、動揺して弾が外れてしまう。

(あちゃ〜)

なんとか誤魔化すが、Aちゃんには何もかもお見通しだったらしい。俺と梨花ちゃんの作戦もバレていた。根掘り葉掘り聞かれるのが悔しくて、俺も何か言い返そうと頭を働かせる。

(そういえば……)

俺は、駅で赤面している真ちゃんを見たときに、Aちゃんの反応がおかしかったのを思い出した。だから、ちょっとだけカマをかけてみた。

「Aちゃん、

真ちゃんのこと好きなんじゃないの?」

すると、思いの外Aちゃんは動揺してしまった。
射的を終えてからも、気になったのか真剣になって俺に質問してくる。

テキトーにそれっぽく答えていると、突然Aちゃんが立ち止まる。かと思いきや、逃げてしまった。

気づいた時にはもう遅く、Aちゃんは人混みに紛れてしまっていた。

81→←79



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぷよぷよぷよん♪ | 作成日時:2022年5月10日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。