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意識が、戻る。眼前には倒れる前と同じ景色。遠くで、彼の霊圧らしきものを感じる。一刻も早く、行かなくてはいけない。そう思い間髪を入れずに走り出す。そうして、辿り着いたそこには激情する彼がいた。
「浦原喜助！！」
大声でそう叫び、彼は浦原喜助への批難を、世界への批難を、霊王への批難を口にした。状況を鑑みる間もなく彼は敗けてしまったのだという事が分かる。けれど、どうしてだろう。私は悲しみより落胆より悔しさより、何よりも先に安堵を覚えた。彼がまだ、こうして心を乱せる事があるのかと、黒崎一護と渡り合いきっと何かを得たのだと思うと、嬉しくさえ思った。
そして、私が今彼に駆け寄らないのは、私が我儘で傲慢で強欲だからだ。封印は解けずとも逃げる事はきっとできる。彼の望みを叶える事も、ある程度はできるだろう。でも、私はそれをしない。
愛してるを貰ってしまったから。手放さないを貰ってしまったから。よろしくを貰ってしまったから。それを正面から受け入れてしまったから。
私
だから、伸ばしたい手も駆け寄りたい足も、全部押し殺して、目を背けずにただ彼の一言一句を身体に呑み込ませていった。
「......本当に、どうしようもないなぁ」
でも、この愚かしさも含めて私なのだ。彼もそれを分かっている。それならこれも想定内かもしれない。想定外だったとしても、彼はきっと楽しむだろう。ならば何一つとして憂う事はない。怖い事はない。ただ、少しの間途方もなく寂しいだけだ。
「...さぁて、泣いてる暇なんてないぞ私。なにせ浦原喜助は、強敵なんだから」
そう己に言い聞かせて、私は静寂に包まれたそこへと身を落とした。
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みるきー(プロフ) - はわー！！！毎日更新の通知が来るのを楽しみにしてます！！ (2021年5月9日 17時) (
レス) id: 3af3c93a7d (このIDを非表示/違反報告)
みるきー(プロフ) - とても素敵すぎて何度か最初から読み直してしまいます。更新が楽しみすぎです！ (2021年4月30日 10時) (レス) id: 3af3c93a7d (このIDを非表示/違反報告)
K2AYEのY(プロフ) - うん……藍染格好いいね……声がいい……でも白哉も声がいい……うーん選べない……( ；∀；) (2021年4月19日 22時) (レス) id: 27ffa47357 (このIDを非表示/違反報告)
K2AYEのY(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁー！！！続きが気になる！！！！！更新頑張ってください！！！！！！！！！！！ (2021年4月1日 17時) (レス) id: 27ffa47357 (このIDを非表示/違反報告)
悠月(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 96d594e2d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶々 | 作成日時：2020年3月26日 2時
