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「……全く、君は」
彼の片目が愉快そうに細まる。
献身的に見えるなら幸い。自己中心的に見えるならそれもまた正しい。
結局は、割り切れているようでいない女の独りよがりだ。多大な矛盾の中で、私は生き続けていく。
今だってそう。きっと刻一刻と命は失われていっているのに、それを多少なりとも救うことが今できる最大限だと思うのに、私の身はここから離れたがらない。
ただでさえ二年ぶりで、この先会える保証もないのに2人きりの時間を投げうつのが惜しいとも思ってしまう。
並大抵すぎる感情はきっと面白くもないだろうに、惣右介さんはどうにも楽しそうだった。
「興味があるのなら、今からでも
「霊王、ですか？」
「あぁ。今なら見ることも能う。例え、罪人であろうともね」
間近で射抜くような視線を手向けられて、肌がピリついた。けれど、それさえも不思議と心地の良いものに変換されていくあたり、私は余程惣右介さんに飢えていたらしい。
尸魂界の成り立ちは聞いているし、なればこそ惣右介さんや東仙さんがことを起こさんとするのも一応は理解できた。その原罪なるものを自分の目で見られるのはとても興味深いとは思う。
「それは、少し心惹かれますけど……。でも、やっぱり私は惣右介さんと行きたいです」
何ともなく誤魔化すように鼻をすり合わせて、また目を合わせた。
惣右介さんのしようとしたこと、あるいはこれからすることに関して、私は考えて考えて考えて、結局は肯定している。疑問は尽きない、疑念もなくはない。そもそも私は今の尸魂界の在り方が嫌いではない。例えそれが、幾重の許し難いものの上にあったとしてもだ。
私が惣右介さんを盲信しないためにそれらは必要だろうし、それを全て乗り越えた先で私は彼を愛している。
「そうかい。なら、その時を楽しみにしているといい」
「はい」
ゆるりと口角が上がった唇に、唇を重ねた。
触れ合わせただけの柔らかな感触を何度も何度も繰り返して、そのうちに互いに舌先を絡ませていく。
本当に、本当に、久方ぶりの熱量。これがなくても、生きてはいける。けれど、それが欲しい事実は揺るがない。
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みるきー(プロフ) - はわー！！！毎日更新の通知が来るのを楽しみにしてます！！ (2021年5月9日 17時) (
レス) id: 3af3c93a7d (このIDを非表示/違反報告)
みるきー(プロフ) - とても素敵すぎて何度か最初から読み直してしまいます。更新が楽しみすぎです！ (2021年4月30日 10時) (レス) id: 3af3c93a7d (このIDを非表示/違反報告)
K2AYEのY(プロフ) - うん……藍染格好いいね……声がいい……でも白哉も声がいい……うーん選べない……( ；∀；) (2021年4月19日 22時) (レス) id: 27ffa47357 (このIDを非表示/違反報告)
K2AYEのY(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁー！！！続きが気になる！！！！！更新頑張ってください！！！！！！！！！！！ (2021年4月1日 17時) (レス) id: 27ffa47357 (このIDを非表示/違反報告)
悠月(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 96d594e2d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝶々 | 作成日時：2020年3月26日 2時
