四十七枚 ページ49
Aside
「いっでぇ!?お前その石頭どうにかなんねぇの!?布団全然クッションになってねぇんだけど!」
「いきなり布団引っ張ってくるのが悪いし何!?何の用!?不審者でしかない!」
人の少ない道でのいきなりの奇行。
自分の身を守るために攻撃をするのは当たり前のことである。ただただ怖い。
「あ、そうだ。お前布団かせ、今すぐ」
「は?無理」
「いいか、らっ!!」
「やめろや!」
ぐいっと今まで以上に強く引っ張られる。
必死に抵抗する私だが半分くらい脱がされた。
「やべっ、もう来てる!おいっ、なんでもいいから俺を隠せ!」
「はあ!?えーっと、えい!」
えい、なんて可愛いものではなく私はげしっとこの不良を近くにある路地裏へ蹴飛ばし、自分自身はその場にしゃがみ込みまるまる。
自分の身の危険を感じたので行動は早い早い。
なんか不良を蹴飛ばした先が、ゴミ溜まりだった気がするけどまあいいや。
「あんのクソガキどこ行きやがった!!」
「まだ近くにいるはずだろ、探せ!!」
ドタバタと鳴らす足音と、聞こえてくるのは凄く、もの凄く怒っている大人の男性の声。
ヤのつく人たちなんじゃないかと思うけど思うだけにしとこうと私はしゃがみ込みながら心の中で誓った。
怒鳴り声が聞こえなくなり、静かになったところで私はゆっくりと立ち上がり息を吐く。なんて日だ。
「おっまえ人をゴミ溜まりに蹴飛ばしやがって!」
「助かったからいいでしょ!?何したらあんだけ怒られんの!?ゴミだまりどころか東京湾に沈められてたかもしれないんだから贅沢言うな!」
臭いから寄らないで、と言いながら一歩に二歩と下がる私に嫌がらせのように近寄ってくる不良。本当に触らないでほしいし、近寄ってきてほしくないし、早く帰らせてほしい。
「私は帰るから近くの公園で水被ってから帰るんだな」
「風邪ひくわ!」
「バカは風邪ひかん」
「んだとコラァ!?」
善意からきた言葉なのに彼にはそう捉えることはできなかったらしい、非常に残念だ。
私は酷い匂いを漂わせる乱暴な不良にひらりと手を振って早足で家に帰った。
覚えとけよクソ布団、なんて声が後ろから聞こえた気がしたけど、きっと本当に気がしただけだよね。
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時