四十六枚 ページ48
Aside
「黒子君」
「!山梨さん」
いつものルーティーンを終わらせた放課後。
黒子くんが赤司くんに目をつけられた次の日の放課後にあたる今、私はまた黒子くんがいる第3体育館へと足を運んでいた。
黒子君の今の表情を見るに、何かを強く決意したみたい。
「バスケやめなかったんだね」
「…えぇ。やっぱり僕はバスケが好きですし、僕にもやれることがあるかもしれないから。
山梨さんはちゃっかり一軍のマネージャーになってますね」
「お先に失礼」
ふっ、と笑ってみせると彼も優しく笑っているようで。
「僕も一軍に行くつもりですから、その時はよろしくお願いします」
「…今からでも何か手伝えることあるなら手伝ってあげるけど」
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。
山梨さんはただ、待っていてくれるだけでいいんです」
つれない奴だな、なんて思いはしたけど私は分かったと頷いた。
きっと私では黒子君の役には立たない。マネージャーの私には今の黒子君の役には立たない。
人にはそれぞれ役割がある。
今回はその役割に私が当てはまらなかっただけなのだ。
「おー山梨お前も来てたのか」
「馴れ馴れしく布団に触るなっ」
どっから湧いたのか分からないが、いつの間にか私の背後にやって来ていた青峰。なんだか上機嫌で鬱陶しい。
ぶんと布団を振ると、いてっと声が聞こえてきた。そのまま私は入口へ歩く。
「おいおいなんだよ、もう帰んのかよ。怒ったのか?」
「怒ってないわ。黒子君に帰れって言われたから帰んのー」
「僕は帰れなんて言ってませんよ、捏造です」
「…青峰は、黒子君を助けることができるから。頼んだよ」
「はあ?」
じゃーね!と二人の顔を見ずに私は布団を揺らし家路に着く。
私ね、黒子君のバスケ結構好きなんだよ。
下手っぴだけど諦めない、好きだからやめない。
一度折れてしまいそうになったけど、赤司くんの言葉でまた立ち上がった。そしてその希望に向かって走り続ける黒子君のバスケが。
「マネには出来なくても、選手には出来ることあるんでしょ」
少しでも彼のバスケが確実なものへと変わるのなら。
なんて、らしくもなく思っちゃうんだ。
すっかり日が沈んだ道を一人歩く。
すると布団がいきなり後ろへ引っ張られた。
「おい布団モンスター」
「誰だテメェ!?うわっあれだ、保健室の不良!」
少し思い出した名前を一瞬で忘れてしまったけど、聞き覚えのある声にこの乱暴さ。
覚えてる、忘れてないぞ。
初対面の時のように私は、そのまま後ろへジャンプして頭突きをかました。
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革ベルト
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時