学生喫茶【パピルス様リクエスト:学生シリーズ続編】 ページ42
二人。手を繋いで人込みを歩く。
先刻みたいに、握るようなつなぎ方じゃなくて。
指と指を深く絡めて。
そっと。
中也の親指が流華の手の甲を撫でる。
大した会話もなく、歩いているだけだけど、とても暖かい時間。
振り返った中也目があって。
二人、なんにもないのに、くすくす笑い合った。
「お、あの店だ」
『うわ、写真よりおしゃれ!』
中也が、空いた手で指したカフェに、流華は眼を輝かせる。
事前の打ち合わせで、彼が選んでくれたカフェはどっしりと其処にあった。
ひなびた雰囲気が、ちょっと高級感を感じさせる。
流石に、このまま入店はまずいかもしれない。
名残り惜しいが、手を離そう。
指を開く。
けれど。まるで駄々っ子みたに。中也の指が離れない。
『中也?』
「行くぞ」
耳が紅い。
ああ。彼も、離れたくないと感じてくれたのかな。
少し、恥ずかしいけど。
流華は笑って。彼に手を引かれるまま店に向かって歩き出した。
※
『お待たせいたしました』
頼んだ紅茶とケーキに流華は思わず歓声を上げる。
繊細な姿は食べてしまうのがもったいない位可愛くて。
そして、ちょこんと乗った真っ赤な苺とふわふわクリームはとても美味しそう。
「早く食えよ」
頬杖を付いた中也に、首を横に振る。
彼の注文した品はまだきていない。
二人ちょっと喋っていれば、すぐに中也のケーキと珈琲がやってきた。
『いただきます!』
二人一緒に手を合わして食べ始める。
「おい流華」
『ん?』
「これ、悩んでたろ?」
ずい、と差し出されたのは中也のケーキの乗ったフォーク。
『え?』
「ほら、口開けろ」
口角を上げた、中也とケーキで視界が一杯。
心臓が破裂しそうなくらい早い。
小さく開けた唇は震えていたし、ケーキの味なんてよくわからなかった。
――――
リクエストを頂きました。
パピルス様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月30日ちょこ
人形師と訪問客 【如月レン様リクエスト:人形師シリーズ続編】→←御姉様と雪の日【青紫様リクエスト:御姉様シリーズ、雪の日】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時