検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:87,759 hit

人形師と訪問客 【如月レン様リクエスト:人形師シリーズ続編】 ページ43

軽くノックをする。

『なんだ?』

いつもながら、抑揚のない流華の応え。

そんな事、気にもせずに。

「邪魔するぜ」

中也はゆるりと歩む。

『無能過ぎて暇なのか?』
「いや、忙しい。
でも、手前ェの顔見たくてな」

間近で囁くと、彼女の頬が色づく。

「流華の顔見て、元気出たぜ」
『うるさい、馬鹿者』
「照れンなよ」

そっと梳いた髪を一房掬って口付ける。

「すげェ綺麗な髪だよな…此処も好きだ」
『は、よくもそんな軽々しく…』
「本気じゃなきゃ云わねェよ」

くすり、と笑う中也。
遮光眼鏡の奥で流華の目が泳ぐ。

「好きだぜ、流華」

じっと、目を覗き込むように伝える。

『寝言は寝て云え』
「俺は本気だ」

視線だけ。絡ませる。
流華が何か云いかけるのを制すように身を引く。

「答えは、焦らなくて良いから」

そう。
まだ試用期間なのだから。

「一ヶ月が終わったら、聞かせろ」

中也は身を翻す。

『待て。
…何処に行く?』
「仕事だよ」

彼の口角が上がる。

「なんだァ?寂しいのか?」
『そんな訳があるか』
「仕事早めに片付けてまた来てやるよ」
『いらん!』

その反応に中也は小さく笑う。

「一時間くらいしたら、なンか甘いモンでも持ってくるから、茶頼む」
『…緑茶か?珈琲か?紅茶か?
それくらいはっきりさせろ、無能め』
「じゃァ、珈琲で」

中也の返答に流華は頷く。

来訪を許可された中也は心中両手をあげて喜んだ。

「じゃ、一時間後な」
『珈琲が冷めたら許さないからな』
「へいへい」

軽く手を振って流華の執務室を後にする。

完全に扉を出た後、中也は無自覚に歌を口ずさむ程上機嫌だった。


――――

リクエストを頂きました。
如月レン様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。

2016年12月1日ちょこ

大正浪漫喫茶店逢瀬【ラムネ様リクエスト:大正浪漫、軍人中也】→←学生喫茶【パピルス様リクエスト:学生シリーズ続編】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/  
作成日時:2016年10月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。