7. ページ9
*
『よ…い､しょっ…と』
自室のタンスをぱたんと閉めて
片付いた部屋にほっと一息吐く｡
『ふぃ〜……終わったぁ…』
あの後､神速のゲノセクト級の速さで
下着をキャリーバッグに詰めた私は､
部屋に引き籠って荷物を片付けた｡
『ナイス集中力私』
何か色々と神経を使ったよ…うん｡
よく頑張った私｡ハーゲン●ッツ買おう｡
バニラかな…と呑気に考えてると
ドアをノックされ肩がびくんっと上下｡
『み”ゃっ！』
「あ､開けますよ…?」
扉の向こうから若干引いた様な
小湊くんの可愛い声が聞こえた｡
み"ゃ､は引くか｡しかも私だし｡
『ど､どーぞっ！』
「失礼します」
扉が開いて､何やらいい匂いを
漂わせる小湊くんが入ってくる｡
「片付け､終わりました?」
『うん』
よいしょ､と私の隣に座る彼｡
細いな小湊くん｡棒みたいですね｡
いやでもその服の下はちゃんと
鍛えられてて腹筋がうふふなことも
私はちゃんと知ってるんですよ｡
「お昼…作ったんですけど」
『小湊くんが?』
「一応…」
『見たい！』
例えこげこげだとしても
私はそんな君が大好きだよ！
取り敢えずかわいい小湊くんの
手料理がめっちゃ気になる｡
「食べないんですか…?」
『いいの?』
「先輩の為に作りましたから」
『…』
あまりのイケメソ&惚れさせ台詞に
もう何か言葉が出ないというか
完全に御手上げです｡はい｡
『何作ったの?』
「ち…炒飯です……」
『いただきます』
「じゃあ､リビング行きましょう」
立ち上がった小湊くんは
私の手を優しく引いてくれた｡
『…』
なんか､本当の夫婦みたい｡
小湊くん優しいなぁ…すてき｡
そのまま手を繋ぎ並んで
リビングへと向かった｡
テーブルに用意されてるご飯｡
『本当に?』
「はい」
『本当に作ったの?』
「余りご飯で申し訳無いですけど…」
『いやいやいやいや充分過ぎるよ』
「食べてくれますか…?」
『これ私が食べていいの?』
もっとこう貴族に捧げる物では…｡
まさか小湊くんがこんなにも女子力を
持ち合わせてるとは思わなかった｡
会社では仕事を端からこなして
家では家事をこなすのか｡すごい｡
「先輩の為に作ったので…どうぞ」
小湊くんは､にこっと柔らかく微笑んだ｡
ほんのり頬が赤く染まってる｡
折角なので冷めないうちに口へ運んだ｡
『おいしい…！』
「よかったです」
『もうお嫁さんになりなよ』
「それは嫌です」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨鏡花(プロフ) - 春市が…っ！！かっこよすぎて悶えました…っ！！この作品続編とかでないんですか！？もっと読みたいです…！！ (2017年7月28日 22時) (
レス) id: 42717a81ba (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - あの、この作品完結しちゃうんですかね！凄く春市がかっこよくて大好きだったんで、続編を読めたら嬉しいです！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - 失礼します！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
まもたん - お久しぶり大根！！この作品って完結しちゃった！？もっと、あんな春っちやこんな春っちが見れると思ってたんだけど...。続きがあるなら、気長に待ってるよー。頑張ってね！ (2016年8月14日 22時) (レス) id: 12db5d571e (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - こんにちは。やっぱり姉の言う通り面白いですね！素朴な疑問なんですけど10階建てマンションって高いんですかね(笑)家の家21階建てなんですけど(；´∀｀) (2016年7月3日 23時) (レス) id: 810e1796cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒糖団子
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokutou15/
作成日時：2015年6月26日 21時
