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*
小湊くんが私を背中に乗せながら
器用に鍵を開けて､ドアノブを捻る｡
『お､お邪魔します…』
「どうぞ」
『…歩けるよ?』
「リビングまでは乗ってて下さい」
『あ､新手の筋トレと気付いて…』
「先輩すごい軽いですよ」
『ありがとう…！』
でっかいマンションだから
玄関も異常に広々としてる｡
「脱がせますね」
『う､うん』
自分の靴を脱いだ小湊くんは
優しく丁寧に私の靴を脱がせる｡
彼の私に対する女性扱いというものに
私はどれだけ感動すればいいのやら｡
『広いね〜…』
「そうですか?」
『君の感覚はおかしいのだよ』
「そんなことないですって」
至ってシンプルな家具が多く
白とか水色とか淡い色の物が多い｡
「ここがリビングです」
テレビの横にゲーム機が沢山
置いてあるのにちょっと吃驚する｡
『ありがとう』
「そこ座って下さい」
小湊くんからゆっくり降りて､
指示された通り木製の椅子に着席｡
「手当て…しますので」
『放っとけば治るよ?』
「黴菌入ったら大変ですから」
どんっと漫画みたいな救急箱を
机の上に置いて､かちゃりと開ける｡
「痛いですけど､一瞬にしますので
ちょっとの間我慢して下さいね」
『そんな私を子供みたいに…』
「違いますって」
私の前に屈む小湊くん｡
なんか跪かれてるみたいで照れる｡
「じゃ､いきますね」
消毒液を含んだ脱脂綿が
私の擦り剥いた膝を撫でた｡
『……ぁっ』
軽い痛みと擽ったさに変な声が漏れる｡
これほど自分の喉を恨んだことはなかった｡
いまものすごく穴に入りたい｡
「！」
『あ〜……いや､今のは…』
「ごっ､ごめんなさい！」
『謝るシーンじゃないよ!!?』
寧ろ謝るの私のほうだし！
顔を真っ赤にして､慌てる彼｡
そんな愛くるしい姿に頬が緩む｡
「何笑ってるんですか！」
『いや､かわいいなぁって』
「男に言う台詞じゃないですよ」
『そうなんだけどね〜』
「鈴屋先輩！」
『ごめんごめん』
ぷんすこと怒りながらも絆創膏を
貼ってくれる小湊くんはやっぱり優しい｡
「あ､絆創膏よれってなっちゃった…」
『ん､大丈夫大丈夫』
「水とか染みちゃいますよ…?」
『子供扱いは止めてってば』
.
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時雨鏡花(プロフ) - 春市が…っ！！かっこよすぎて悶えました…っ！！この作品続編とかでないんですか！？もっと読みたいです…！！ (2017年7月28日 22時) (
レス) id: 42717a81ba (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - あの、この作品完結しちゃうんですかね！凄く春市がかっこよくて大好きだったんで、続編を読めたら嬉しいです！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - 失礼します！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
まもたん - お久しぶり大根！！この作品って完結しちゃった！？もっと、あんな春っちやこんな春っちが見れると思ってたんだけど...。続きがあるなら、気長に待ってるよー。頑張ってね！ (2016年8月14日 22時) (レス) id: 12db5d571e (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - こんにちは。やっぱり姉の言う通り面白いですね！素朴な疑問なんですけど10階建てマンションって高いんですかね(笑)家の家21階建てなんですけど(；´∀｀) (2016年7月3日 23時) (レス) id: 810e1796cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒糖団子
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokutou15/
作成日時：2015年6月26日 21時
