13. ページ15
*春市
段々と賑わってく店内｡
遠くで､イッキ！イッキ！という
声も聞こえたりする｡
「へいお待ち！」
『ありがとうございまーす』
伊佐敷先輩の気迫にも慣れたのか
にこにこ笑って串カツを受け取る先輩｡
こーゆーA先輩の何処でも
すぐ適応出来る所は見習わないと｡
「美味しいですか?」
「おい､店員いる前で訊くなよ」
『めっちゃ美味しいです』
「あざっす」
ほくほくしながら串カツを
食べる先輩は何かリスみたい｡
かわいい｡
『春市くんもどうぞ』
「あ…すみません」
目の前の串カツを手に取った｡
やっぱり此処の食べ物は美味しい｡
「あ､お前ら酒呑む?」
『いやぁ…私…危険､なので』
「…」
先輩がお酒呑んでるのは
見たことないな…弱い､のかな?
「僕も､車運転しなきゃなので」
「そうか｡残念だな」
『また次回ですね』
「おーい､伊佐敷注文！」
「ッス只今！わり…そんじゃな」
「はい」
伊佐敷先輩は他の店員に呼ばれて
別の座敷へと行ってしまった｡
『…』
2本目の串カツに手を伸ばす先輩｡
こうやって遠慮とかしないとこも
他のひとのことは分かんないけど
僕はとっても素敵だな…って思う｡
「先輩､お酒弱いんですか?」
『あ〜…えっと…ははは』
「あ､はは…」
苦笑いして僕から目を逸らす｡
明らかに何か問題を起こした表情｡
「…何かあるんですね」
『まぁ､今度稲実も同窓会あるし
その時分かるよ…ごめんね』
「謝らないで下さいよ怖い」
もそもそと焼き鳥を頬張る先輩｡
その姿に何故か頬が緩む｡
『なに笑ってんの春市くん』
「いや…先輩かわいいなって」
先輩がそんな俺に気付いて
形の整った唇を尖らせながら言う｡
折角だから素直な感想を述べた｡
『先輩に可愛いとか言っちゃ駄目なんだぞ』
「じゃあ…家内がかわいいなって」
『そ､そこでそれ使うのズルい…』
真っ赤になって､空気が抜けた風船
みたいにA先輩は机に突っ伏した｡
「あ､A先輩唐揚げ来ましたよ」
『唐揚げ！やった』
「ふふ……っ」
食べ物1つで表情が変わる所も
先輩の魅力の1つだと思う｡
そんな先輩を隣で見れるなんて
とっても､贅沢なことだよね｡
『ご馳走さまでしたー！』
「おう､また来いよ」
『はい！絶対また来ます！』
「…お前いい子だな」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨鏡花(プロフ) - 春市が…っ！！かっこよすぎて悶えました…っ！！この作品続編とかでないんですか！？もっと読みたいです…！！ (2017年7月28日 22時) (
レス) id: 42717a81ba (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - あの、この作品完結しちゃうんですかね！凄く春市がかっこよくて大好きだったんで、続編を読めたら嬉しいです！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
春巻き - 失礼します！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 8352ce9834 (このIDを非表示/違反報告)
まもたん - お久しぶり大根！！この作品って完結しちゃった！？もっと、あんな春っちやこんな春っちが見れると思ってたんだけど...。続きがあるなら、気長に待ってるよー。頑張ってね！ (2016年8月14日 22時) (レス) id: 12db5d571e (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - こんにちは。やっぱり姉の言う通り面白いですね！素朴な疑問なんですけど10階建てマンションって高いんですかね(笑)家の家21階建てなんですけど(；´∀｀) (2016年7月3日 23時) (レス) id: 810e1796cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒糖団子
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokutou15/
作成日時：2015年6月26日 21時
