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※暴力シーンあり
目に映ったのは全面灰色の、どこか不快感を感じる空間だった。
声を出そうとしても出ない
誰かに首を絞められている感覚
なんだかお腹辺りも痛い
そう感じた途端、辺りは俺が見たくない景色に映り変わった。
「俺のこと好きなんだろ!!?」
「好き、だけどっ、これは違…」
やめろ
「何が違うんだよ!両想いの奴がすることと言ったらセ〇クスだろ!!」
やめて
「こんな、一方的、に……こんなの…」
「そうだよレ〇プだよ!!好きな奴になら何されてもいいんだろ!!!??」
やめてくれ
「お前なんて本当は好きじゃねぇわ!!女より顔が良いから男でも我慢してやってんだよ感謝しろ!!!」
『やめろ!!!!!』
叫んだ瞬間、映っていたものがプツンと消えた。
吐き気がした。
嫌な思い出が蒸し返される、しかもレ〇プされた思い出なんてただの悪夢だ。
首を絞められた跡も、まだ突き刺さるように痛む肛門も鮮明に感覚が残っている、忘れさせてくれそうにない。
『同性愛ってやっぱダメなのかな…』
昔のことなのに自然と涙が溢れてくる。
もう断ち切ったと思ってたんだけどな…。
凛月のこと諦めようかな、そう口にしようとした時、
「本当に?いいの?可能性すらも信じないの?」
何だろう、錯覚かもしれないけど、凛月に似た声が聞こえたような…?
『……は、っ!』
衣「A!大丈夫か!?」
……真緒?
見知らぬ部屋…?
『……真緒。ここ、どこ?』
衣「保健室。吃驚したんだぞ?教室に入って挨拶もせず席に座ったと思ったら急に倒れるんだから」
『そう、だったっけか……?』
衣「覚えてないのか?倒れた時に頭打ったとか…?」
『……そうかも』
そうだっけか?
何度思い返しても思い出せない。
なんとか頭をひねっていた時、保健室の扉が開いた。
「A。目、覚めた??お迎えに来たよ」
現れたのは
俺の名前を呼び息を切らす、顔すら見たことの無い青年だった。
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作者名:ゆうきよ | 作成日時:2018年3月21日 22時