225話 ページ29
先輩達を送り出して、片付けも終わった夜18時過ぎ
わたしは体育館のど真ん中で大の字で寝っ転がっていた
「黄瀬くーーーん。生きてるーー？」
わたしは泣き疲れてだるい体を何にも動かさずにその場で声を出した
「んーーー、生きてるッスよーーーー」
体育館のどこかで大の字に寝てる黄瀬くんが答えた
どれくらい経っただろうか
先輩達がいない部活なんて、これから想像ができない
「…明後日から、人数減っちゃうね」
少しトーンを下げて声を出すと、
「そっスね、」と寂しそうな声がどこからともなく聞こえた
「黄瀬くん、部活誘ってくれてありがとーーー」
「おーーーー。」
「バスケ、大好きになったよーーー」
ノリで、普段の感謝を伝えてみた
すると黄瀬くんの声がしない
「…黄瀬くん、？」と不安になって体を起こすと、黄瀬くんがまだ涙を拭いている
「…だめだなぁ、俺、負けてから泣いてばっか」
震える黄瀬くんの声に、微笑んで彼の元へ歩いた
わたしが黄瀬くんの顔の横にしゃがんで、影になった黄瀬くんの顔
それに気がついて涙を拭っていた手を止めてこっちをみた。
「わたしの知ってた黄瀬涼太は、運動ができて、顔が良くて、スタイルも良くて、人当たりが良くて、女の子にもみんなに優しい、そんな人」
黄瀬くんは不思議そうな顔で私をみた
「初めてぶつかった時、色んな人にこうなんだろうなって思って、なんか悲しかった」
わたしはさらに顔を覗き込んで、「もっと知りたいって思った」と告げた
「女バスの練習試合の時、先輩に鍵を預かって次の日休み時間に返しに行って…、そん時に教室での黄瀬くんをみたの」
教室での、オレ？と繰り返す黄瀬くん
「黄瀬くんは席で一人で、何か遠くを見ているようで、でも他の友達が来たらいつもみんなに囲まれて、笑ってて」
「繊細な人なんだろうなぁって思った」
わたしがそう言うと、黄瀬くんは少し驚いた顔をした
「黄瀬くんとだんだん仲良くなって、ベランダで私に『俺も休憩ないと疲れちゃうからサ』って話してくれた時、心開いてくれた気がしてすごい嬉しかったんだよ？」
黄瀬くんもまだそのこと覚えてるだろうか
あの頃はまだ本当にただの他人で、綺麗な顔立ちに見惚れていただけだったのに
今ではこんな大切な人になった
「黄瀬くんのそのもろいところも全部合わせて黄瀬涼太だから」
「私の前では無理してキセリョにならなくていーよ」
黄瀬くんは唇を噛んでまた手で涙を拭った
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葵 - 私は三推しの青峰を友達に奪われましたまじで最悪なんですよ？ (2021年12月19日 12時) (
レス) @page32 id: a5167809cb (このIDを非表示/違反報告)
葵 - ( ノД`)…大輝が桃井と嫌だ( ノД`)…青桃嫌だ( ノД`)… (2021年9月2日 12時) (レス) id: 0028bf96c7 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - Mさん» ありがとうございます(´；ω；`) (2020年11月3日 9時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新待ってます！！！頑張ってください。大好きです(*´∀｀*) (2020年11月2日 20時) (レス) id: af70b25253 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 沢さん» ありがとうございます！これからも全然続いていくのでぜひぜひお読みいただけると嬉しいです！ (2020年11月1日 20時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年10月30日 21時
