215話 ページ19
Aside
もうかなり減った帰り際のお客さんの中を、海常のTシャツに制服のスカート姿でパタパタと走った
足を止めたら、涙が出てしまいそうで
自分のリュックを片方の肩にかけたまま、走り続けた
少し辛くなって、速度を落として、息を整えようとしたら前から聞き覚えのある声がした
「…あ？白河じゃねーか」
「え、Aちゃん？」
2人の顔を見るや否や、またボロボロと流れる涙
「…おいおいマジかよ」
「お疲れ様、Aちゃん」
わたしは2人の前でしゃがんでしまった
しゃがみ込んだ私の肩に体をかがませて手を添えてくれたさつきちゃん
私の泣き方を見て、女の勘で何かに気がついたようで
「…試合のことじゃないね？」
「アァ？んだよ、ちげーのか？」
2人はあっち触ろっか、と近くの椅子に一緒に座ってくれた
うだうだ文句を言いながら座った青峰くんに、「先帰っててもいいよ？」と声をかけたさつきちゃん
「うっせーなー、俺も見んの疲れたから座りてぇっつったんだわー」
照れ隠しなのか、目を逸らす青峰くんは素直だ
私はため息を吐いて、話し始めた
「…明後日の、桐皇との練習試合…。黄瀬くん今日の試合で完全に足壊してて、出ちゃだめって怒鳴ったの」
…青峰くんが顔をしかめた
「…そしたら、手術になってもいい、壊れてもいいから俺は試合するって怒らせちゃって…」
私のその言葉を聞いて、さつきちゃんが「あ…」と口にした。
私の過去と重なってあることに気が付いたのだろう
「バカだな。りょーた」
「大ちゃんも夏に同じようなことで私にキレたけどね」
ふふ、と笑うさつきちゃんは少し前とは雰囲気が違う
うっせぇ、と言い捨てる青峰くんも少し照れていて、何だかとても微笑ましい
「…嫌われたかなぁ」
弱々しく呟いた私の言葉に、ブッ！と青峰くんがふき出した
「ちょっと！大ちゃん！？」とキレるさつきちゃんに「ワリーワリー」と手を振って、彼は私に言った
「それはねぇわ、確実に。」
何なんすかそのドヤ顔は。
「りょーたキモいくらいぞっこんだし。試合終わった後みんなの前で抱き締めたりしたらどうすっかってヒヤヒヤしてたわ」
首の後ろに手を組みながらいう青峰くん
そうだよ、大丈夫とさつきちゃんも頷いてくれた。
…それにね、とつづけるさつきちゃん
「…気づいてるかわかんないけど、明後日何日か知ってる？」
そう言われて日付を頭の中で数える
…あ。
24日だ。
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葵 - 私は三推しの青峰を友達に奪われましたまじで最悪なんですよ？ (2021年12月19日 12時) (
レス) @page32 id: a5167809cb (このIDを非表示/違反報告)
葵 - ( ノД`)…大輝が桃井と嫌だ( ノД`)…青桃嫌だ( ノД`)… (2021年9月2日 12時) (レス) id: 0028bf96c7 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - Mさん» ありがとうございます(´；ω；`) (2020年11月3日 9時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新待ってます！！！頑張ってください。大好きです(*´∀｀*) (2020年11月2日 20時) (レス) id: af70b25253 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 沢さん» ありがとうございます！これからも全然続いていくのでぜひぜひお読みいただけると嬉しいです！ (2020年11月1日 20時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年10月30日 21時
