211話 ページ15
「なんで、っスか、まだ戦えるっスよ、」
黄瀬くんの気持ちもわかる。笠松先輩になだめられる黄瀬くんが止まる気配がない
「それに、こんな形で…」
「黄瀬くん！！！」
わたしの口から出た冷めた声
「黄瀬、お前の言い分はわかった」
でも…と笠松先輩は続ける
「それなら、お前の足をこんな形にした時点でお前の負けだ。」
その声に下を向き、彼は静かにベンチまで下がった
笠松先輩…。
大丈夫、なんて安い言葉はかけちゃいけない。
今は目の前の試合に集中するんだ。
笠松先輩がファントムシュートを破り、いい試合の流れでインターバルに突入した
「監督、俺を出してください！」
「ダメだ」
「でも…っっ、、」
森山先輩も何とか言ってくださいよ、と森山先輩を見るとまるで先輩も何かと葛藤しているようなそんな気がした。
「出てくれ」と言いたげな顔。
きっと先輩もわかっている。黄瀬くんの気持ち。
「黄瀬くん、あなたが出られるのは最後の2分。お願い、それ以上やったら壊れちゃうよ」
黄瀬くんの顔が、きゅっ、と苦しそうになった
「…」
夏と同じ、桐皇と戦った時も彼は足を痛めて苦しい結果に終わった。
だめだ、泣くな
わたしは天井を見上げて、必死に涙を堪えた。
迎えた第3Q
笠松先輩達が必死に点を食らいついて、…それをベンチで歯を食いしばりながら耐える黄瀬くん
…。
最終Q
点差はどんどん開くばかりで、…おそらく、黄瀬くんのパーフェクトコピーのタイムリミットから考えて
「15点差がチェックメイト…ですね」
わたしが口にすると、監督もかおをしかめた。
すると火神のアリウープが決まって15点差を知らせる笛が鳴り響いた
「…」
頑張ってしか言えない。応援の言葉も出ない
すると隣でガタッと音がして、黄瀬くんが立ち上がってジャージを脱ぎ始めた
「待って黄瀬くん何してるの」
「黄瀬まてまだはやい」
「いやっス…！！俺は出る」
黄瀬くんのまっすぐな目に思わず息を呑んだ
「今無茶したら…、この先…」
「Aっち…。エースはチームを勝たせるのが仕事っスよね…。」
バサッとジャージを投げ捨てる黄瀬くん
「今行かなかったら、エースじゃない」
その背中は、影なはずなのに誰よりも眩しくて
輝く背番号になんだか泣きそうになる
「今行かなかったら、絶対後悔する」
背中を叩いてあげたかったのに、わたしは感極まって思わず下を向いた
「だって俺このチーム、好きなんスもん…」
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葵 - 私は三推しの青峰を友達に奪われましたまじで最悪なんですよ？ (2021年12月19日 12時) (
レス) @page32 id: a5167809cb (このIDを非表示/違反報告)
葵 - ( ノД`)…大輝が桃井と嫌だ( ノД`)…青桃嫌だ( ノД`)… (2021年9月2日 12時) (レス) id: 0028bf96c7 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - Mさん» ありがとうございます(´；ω；`) (2020年11月3日 9時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新待ってます！！！頑張ってください。大好きです(*´∀｀*) (2020年11月2日 20時) (レス) id: af70b25253 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 沢さん» ありがとうございます！これからも全然続いていくのでぜひぜひお読みいただけると嬉しいです！ (2020年11月1日 20時) (レス) id: 20e8fe3349 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年10月30日 21時
